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ハロウィン
3部分:第三章
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スで間違いないよ」
「そういえば表情もそんな感じだし」
「だから皆何言ってるんだよ」
 当のカルロスだけはどうにも除け者にされた感じがしてどうにもいたたまれないのであった。
「僕は僕だよ。確かに狼男の格好をしているけれどさ」
「それじゃあよ」
 ここで不穏な顔を見せてきたサエコであった。
「あんたは今ここにいるわよね」
「うん」
 まだ何が何だか全くわからないままサエコのその言葉に頷いた。
「ちゃんとね。ここはね」
「それはいいわ」
 とりあえずそれはまた納得したサエコであった。
「それじゃあよ」
「何が言いたいの?」
「あんたがここにいて」
 しつこいまでにこのことを繰り返して言う。
「じゃあこの人は?」
「この人はって?」
「だからこの人よ」
 そのカボチャ頭をこれ以上はないという程不審な目で見つつの言葉であった。
「この人は。誰なのよ」
「ああ、そういえばそうだね」
 入ったばかりのカルロスは相変わらず呑気な様子で応える。しかし彼以外の皆はそのカボチャ頭を不審極まる目で見続けているのであった。
「それ。誰なの?」
「あんた誰なの?」
 いぶかしむ目でカボチャ頭に対して問うサエコであった。
「一体。誰なのよ」
「今までずっとカルロスだと思っていたけれど」
「そういえば様子がおかしかったような」
「そうだね」
 リンチェンとビル、ボブもそれぞれ言う。
「だったらこの人って一体」
「何処の誰なんだか」
「若しかして不審者とか?」
「不審者!?とんでもないよ」
 今まで周りに剣呑な目で見られて小さくなっていたカボチャ頭がたまりかねたように言ってきた。
「僕は怪しい者じゃないよ。れっきとしたオズの国の住人だよ」
「オズの国!?」
「今オズの国って」
「そうだよ。僕はジャックっていうんだよ」
 ここで遂に自分の名前を名乗ったカボチャ頭であった。
「カボチャ頭のジャック。それが僕の名前だよ」
「カボチャ頭のジャックって」
「まさか」
「そうだよ。オズの国にいる」
 彼自身の言葉である。
「それなんだけれど」
「オズの国!?」
「あれって架空の世界じゃない」
「そうだよ」
 五人の少年少女達は口々に言った。彼等にしてみればオズの国というのはあくまでおとぎ話の世界である。ライマン=フランク=ボームが子供達に紹介したとても素敵な国のお話のシリーズである。
「それが何でこの世界に!?」
「しかもあんたが」
「ちょっとね。魔法の靴でね」
「魔法の靴ってドロシーの!?」
 その魔法の靴が何なのかすぐにわかったサエコであった。
「あれ!?ひょっとして」
「そう、あれ」
 ジャックも答える。
「あれを改良して行き帰りができるようになったものなんだけれど。それを使っ
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