第十八話 山田大尉!今度はテニスだ!その十六
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そうして技を繰り出すがだ、どの技もだった。
山田は防ぐ、そして。
そのうえでだ、こう言ったのだった。
「見事だ、しかしだ」
「それでもかよ!」
「あんたにはっていうんだな!」
「二人で互角だ」
山田一人に、というのだ。
「私とな」
「くそっ、その通りだぜ」
「まずいぜこれは」
「このままだとな」
「またいつもの展開だぜ」
「いつもの展開だぜ」
こう言う二人だった。
「ラストになってな」
「まさかの大逆転か」
「たまには俺達に圧勝させろっての」
「すんなり勝たせろ」
作者にも普通に文句を言う二人だった。
「スポーツ漫画は大抵そうだけれどな」
「俺達はあっさり勝って楽になりたいんだよ」
「男どアホウ甲子園みたいに長引かせるんじゃねえよ」
「あの漫画延長十八回の後また十八回までいったけれどな」
水島新司先生の漫画では往々ににしてあることだ。
「そんなことするなっての」
「あっさり勝たせろ」
「まして俺達テニス専門外だぞ」
「素人にさせるなっての」
こうぶつくさ言いながら試合終了間際まで進んでだ、そしてだった。
そうしてだ、山田の一瞬の隙を衝こうとするがだ。
隙がまるでなかった、それで。
どうしようもないと思われた、だが二人も彼等の事情で勝たない訳にはいかなかった。それで今回の奥の手は。
尚智がだ、尚武にこっそりと言った。
「おい、やろうぜ」
「今回はどうするんだ?」
「例によってだ」
「ああ、例によってか」
「頭使うぜ」
まさにいつもの手段で、というのだ。
「やろうな」
「そうだな、じゃあな」
「こうするぜ」
試合中にひそひそと尚武に話してだ、そして。
二人でだ、自分達の左手に顔を向けて咄嗟に言った。
「あっ、あれは!」
「あの人は!」
急に叫びだしたのだった。
「まさかと思うが」
「首相か!?」
「首相自ら観戦か」
「これは凄いな」
「何っ!?」
さしもの山田もだ、二人が急に言った言葉を受けて反応を示した。」
「総理がだと」
「そうだよ、日本の首相がだよ」
「あっちに来たんだよ」
「あんたの頑張りを観にな」
「今来たんだよ」
こう真剣に観て言う、そして。
「あんた達は首相には敬礼するだろ」
「指揮系統は違っててもな」
日帝衆は日本政府の下にはない、日本政府及び国際連合の顧問である。
「日本の国政のトップとしてな」
「敬意は払うんだよな」
「それじゃあな」
「敬礼しないと駄目だろ」
「むう、確かに」
山田も二人の言葉に頷くものを見た、それで。
彼からすると右手に顔を向けて首相の姿を確認しようとした、本当にその場所に彼がいるかどうかとだ。
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