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ハロウィン
1部分:第一章
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ュースで」
 リンチェンも顔を顰めさせて言うのであった。
「そうなったら洒落にならないからね、やっぱり」
「全く。物騒よね」
 サエコもそのことに顔を顰めさせていた。
「銃なんて何がいいかわからないわ」
「自分を守る為だけれどね」
「けれど。そこまでいったら」
「極端なんじゃないかな」
 男の子達もそう思うのであった。流石にハロウィンでいきなり撃たれてはたまったものではない。だからこそ言うのである。
「まあとにかくエマおばさんはそんなことないから」
「安心してお菓子貰えるね」
「何かな、それで」
 こうしてとりあえず銃のことを気にしつつお菓子をねだる彼等であった。
 そのお菓子を食べつつ次の家に行ってまたねだって食べて。三軒程そういうことをしていると彼等のところにオレンジのカボチャに三角の目と鼻、それにギザギザの口の人が来たのであった。
「ああ、やっと来たよ」
「遅かったじゃない」
 皆はあそのカボチャ頭を見て声をかけるのだった。
「けれどよくここだってわかったわね」
「そうだよね」
 サエコとボブが言った。
「やっぱりあれ?追いかけてきたのかな」
「僕達を」
 リンチェンとビルはこう考えたが皆もそれは同じだった。こうして彼等はそれで納得してカボチャ頭を迎えるのだった。
「さあ、カルロス」
「カルロスって?」
 そのカボチャ頭はサエコに声をかけられて少し驚いた声になっていた。
「僕はジャックだよ」
「ああ、そうね。ジャックね」
 彼に合わせてかその言葉に頷くサエコだった。
「そういう役なのね。わかったわ」
「役って。あの、僕は」
「いいからいいから。それにしてもあんたまた徹底してるじゃない」
 そのカボチャ頭を見て言うのだった。
「よくできてるわよ、そのカボチャ頭」
「そんなに?」
「ええ、雰囲気出てるわよ」
 面白そうに笑って彼に言うのだった。
「ハロウィンに相応しいわ」
「そうだよね。やっぱりハロウィンはカボチャだよね」
「そうそう」
 男の子達もサエコのその言葉に頷く。ハロウィンといえばカボチャというこのことは既にお約束となっているのである。それもオレンジで顔を作ったカボチャは。
「カルロスも気が利くね」
「それじゃあ一緒にね」
 こうしてそのカボチャ頭が何か言おうとする前に彼等は彼を連れて行くのであった。こうして彼等はそのカボチャ頭を先頭にしてお菓子をねだるのであった。
「トリック=ザ=トリート」
「さあ、お菓子頂戴」
「おいおいおい」
 最初に彼等の訪問を受けたおじさんがそのカボチャ頭を見て喜んだような顔になった。
「またよくできてるな、そのカボチャ」
「そうでしょ。私達もびっくりしてるのよ」
「カルロスがね」
「作ったんだよ」
 こう笑顔でお
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