【東方Project】編
079 それは俗に云うお約束(テンプレート)
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縁仏の供養はやっぱり面倒だしね〜≠ニ言葉を切り上げた少女は自分の名を名乗り、そう一方的に打ち切る。……どうやら目の前の少女の辞書には[対話]の2文字は抜けてしまっているらしかった。
「……で、貴方の名前はまだ聞いて無いんだけど」
「俺は升田 真人。元人間モドキ≠ナ、現在はしがない現人神をやっている──とは云っても現人神になったと聞かされたのはついさっきなんだけどな」
「へぇ…? ……升田 真人ね…。……ちょっと待って。今升田 真人って、云ったわよね?」
紅白少女は興味深げな視線から一転。今度は何かを思い出した様な表情で、ずいっ、と近寄りながら問い質してきた。
「……じゃあ貴方、もしかして八雲 紫と云う妖怪を知ってるかしら」
「……八雲 紫って──あの胡散臭い雰囲気が、その服装からすら出ている、あの=H」
「……間違いないわね。これはどうやら本人の様ね。ふふ、紫に良い土産≠ェ出来たわね」
にやり、と悪どい笑みを浮かべる紅白少女は数枚のお札を懐から取り出し、それを投げては俺を囲む様に神社の甃へと張り付ける。
「“封四方陣”。……貴方には恨みは無いけれど、暫くはそこ≠フ中で大人しくしててね? 何人かが貴方にどうしても会いたい≠チて人──もとい妖怪が居るの」
紅白少女は某かの呪言を紡いだかと思えば、結界を張った。……俺の目から見るかぎり、対物理≠フ概念しか無い──それも、その対物理≠ノしても脆い≠フ一言でしかないのだが。
……もし本気で俺を封じ込めたいのなら、龍殺し(ドラゴンスレイヤー)≠竍魔法殺し(マジックキャンセラー)≠フ様な概念を重ねるとかしないと、話にならない。
「これで金一封よ〜」
そう言いながら、紅白少女は東北──艮の方角へと飛んで行った。……紅白少女の溢した金一封≠ニな科白≠ゥら察するに、どうやら俺はこの場所では懸賞金の様なものが掛けられている様である。
……そして独り取り残されたこの神社で俺は、取り敢えずこれからについて、火急の用事も無いし、ゆっくりと思案する事にする。……しかし思案するにしても、その前にしておきたい事もあり…
「……まずこの檻≠ゥら出るか」
……立ったままでは、手持ち無沙汰なので檻≠ゥら出る事にした。その為に倉庫≠ゥら引っ張り出すのは一振りの錆びた刀。……その刀の銘は“鉄砕牙”と云う。その昔シホに渡した刀である。……とは云っても、シホに渡した“鉄砕牙”とは違う。
……その違いは主に2つ。まず1つは妖力≠ナはなく魔法力≠ナ動く事。
「赤く$まれ──“鉄砕牙”
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