たった一人のためのギルド
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突然のことにみんな驚く。
「400年前・・・世界中に広がった戦争を止めようと善悪反転の魔法、ニルヴァーナをつくった。
ニルヴァーナはワシ等の国となり平和の象徴として一時代を築いた。しかし強大な力には必ず反する力が生まれる。
闇を光に変えた分だけニルヴァーナはその“闇”をまとっていった」
俺は少しため息をつく。この辛い話をまともに聞く気になんかなれない・・・
「バランスをとっていたのだ。人間の人格を無制限に光に変えることはできなかった。闇に対して光が生まれ、光に対して必ず闇が生まれる」
「そう言われれば確かに・・・」
マスターの話を聞いてグレイさんは何か思ったようだ
「人々から失われた闇は我々ニルビット族にまとわりついた」
「そんな・・・」
「地獄じゃ。ワシ等は共に殺し合い全滅した」
マスターの話を聞いて連合軍は驚愕する。
「生き残ったのはワシ一人だけじゃ。いや・・・今となってはその表現も少し違うな。我が肉体はとうの昔に滅び今は思念体に近い存在。
ワシはその罪を償うため・・・また・・・力なきワシの代わりにニルヴァーナを破壊できるものが現れるまで、400年・・・見守ってきた。今、ようやく役目が終わった」
そういうマスターの顔は晴れやかなようにも見えた。しかしそれを聞いた俺たちは全員驚きと悲しい気持ちに包まれる
「そ・・・そんな話・・・」
ウェンディが震えながら言う。するとマスターの後ろにいる俺たちの仲間が次々と消え始める
「マグナ!!ペペル!!何これ・・!?」
「みんな!?どうしたの〜!!」
「アンタたち!!」
ウェンディたちが次々と消える仲間を見て驚く。昨日まで・・・一緒にいた仲間が・・・
「どうなっているんだ!?人が消えていく!!」
「シリル!!みんなが・・・」
ウェンディが俺を向く。しかし俺は悲しみと真実を黙っていた罪悪感から顔をあげることができない
「騙していてすまなかったな、ウェンディ。ギルドのメンバーは皆・・・ワシのつくりだした幻じゃ・・・」
ウェンディの目から涙がこぼれる
「何だとぉ!?」
「人格を持つ幻だと!?」
「何という魔力なのだ!!」
ジュラさんたちもその光景に驚いている
「ワシはニルヴァーナを見守るためにこの廃村に一人で住んでいた。7年前一人の少年がワシのところに来た」
「一人の少年・・・」
エルザさんが呟く。一人の少年・・・そう、ジェラールだ・・・
「少年のあまりにまっすぐな眼にワシはつい承諾してしまった。一人でいようと決めていたのにな・・・」
―――――
「この子たちを預かってください」
ウェンディ
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