【東方Project】編
073 紅翼天翔 その1
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流す為に水浴びをしようとしている時。ふと、右後方10メートルにある木の裏側に、知っている>氛沚ナ早懐かしい気配。……もちろんの事ながら、妹紅やミナのものでは無い。
(来たかっ!)
――「“金剛槍破”!」
……その気配の主は立ちすくんでいたかと思えば、徐に上空へと飛び上がり、幾多もの金剛石で出来た槍を飛ばして来た。……俺からしたら、不意打ち≠ニしては及第点な先制攻撃だった。
「……“紙絵”」
俺はその金剛石の槍の弾幕を見切り、時に擦りそうになりながらもやり過ごす。ドスドス≠ニそんな音を断続的に発てながら、当たるはずだった対象を失ったその金剛石の槍は、当たり前のごとく地面に刺さる。……範囲攻撃が出来る“風の傷”であったなら、“紙絵”では避けられなかっただろう。
「……もし本当に攻撃を当てたかったら、“金剛槍破”ではなく“風の傷”にするべきだった。……まぁ、それでもところどころ当たりそうになったから、良い先制攻撃だったと思うぞ。……居るなら出て来てくれ──シホ」
――「たはは、やっぱり真人には敵わないか」
地面に着地したらしいシホは木の裏側から、“鉄砕牙”を納刀しながら出てくる。
「……さて、何年振りか」
「……大体5年ぶりくらいかな」
5年、それは少女≠女≠ノするには充分過ぎるほどの期間。シホはその長期間で、あどけなさこそ残してはいるが美しく成長していた。……やはり俺の目に狂いは無かった様だ。
「……その、なんだ、月並みだが…。……綺麗になったな──シホ」
「……うんっ!」
シホは俺のお世辞半分──もとい、半分本音に輝く笑顔で頷いた。
………。
……。
…。
シホからいろんな話を聞いた。……曰く、日生村に居る若い衆と仲良くなっても、しっくり来なかったとか。……曰く、シホの祖父──大治殿が逝去し、シホに対する大治殿の庇護が無くなったので、村の雰囲気が悪くなる──半妖≠ナあるシホの処遇でモメる前に村から抜け出したとか。
「……大体こんな感じかな。……それで、村を出た後は例の噂≠追い掛けてこの山まで来たの。……どうせ真人の事だから、熱りが冷めるまではこの山で潜んでると思ったの。……その程度には真人の事は判ってるつもりだからね」
「……もの好きめ」
「私をそのもの好き≠ノしたのは、他でも無い真人だよ」
そうはにかむシホに、ぶっきらぼうながらそう返すが、シホはどこ吹く風と云った感じで、更に笑みを深めて切り返してくる。……男子三日会わざれば刮目して見よ≠ニはよく云うが、女子でも5年の歳月が有れば
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