神の名を切り裂く者
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ら反動で北斗自身がひっくり返ってしまうだろう。
銃の権能は相手から先に自分に向かって手を出されることが条件なのだ。今回の勝負護堂から先に攻撃を仕掛けている。北斗にとっては絶妙なコンディションだった。
それを護堂に向かって撃つ北斗。それをかがむことでかわす護堂。人間の身体能力と銃、どっちが強いかなど明白なのに運だけで戦う護堂さんに僕は戦慄を感じた。まさに自分と同族、これが神殺しなんだと。
「これは……、重力を自在に操る銃?横から重圧をかけたりなんかもできそうだな」
今はまだ簒奪したばかりだからか制御しきれてないけどもう少し使いこなせるようになったらと考えてみると、やはり油断は禁物だな。
そう自らを戒める。
そう一人つぶやく護堂にさらなる追撃がかかる。
一気に間合いを詰め、最も得意とする近接格闘戦に持ち込もうとする北斗。これを大きく後ろに跳び攻撃をかわす。
「このままじゃ埒が明かないな。俺も、俺たちもぼちぼちいくとするか。『少年』の加護の方はどうなってる?」
「いつでも大丈夫です」
万里谷達の方を横眼で確認した後、ついにウルスラグナ10番目の化身『戦士』、黄金の剣を作り出す。
「我は言霊の業を以て世に義を顕す。これらの呪言は強力にして雄弁なり。強力にして勝利をもたらし、強力にして癒しをもたらす」
ウルスラグナの『戦士』の権能はウルスラグナの鋼の神性を表す化身。
かの草薙王の代名詞ともいうべき黄金の剣。
それは神の神格を切り裂く剣。
……ということは。
「僕の権能を切り裂いて戦局をひっくり返すつもりか!!ならば妨害するまでっ」
そう言って護堂に銃を向ける北斗。
「護堂さん、手加減できませんからね!!」
「させないよ!!」
そこで護堂をかばったのは恵那だった。天叢雲剣に『強風』の権能を吸収させた『風の剣』で北斗を吹き飛ばした。
そこに北斗めがけて矢が飛んでくる。リリアナさんの聖なる殲滅の特権を帯びた矢だ。
そんなことはもちろん知らず、北斗は矢に銃で圧力をかけて速度を緩和する。
そのすきをついて護堂は言霊を紡ぎだす。
「太陽は光り輝き大地に恵みをもたらす。しかし太陽が昇る前に夜空に輝き、太陽が昇った後も輝き続ける金星は災いの印として忌み嫌われる。それは太陽神の堕落した形だからだ。お前が殺した神ももとは太陽神だった。そう日本最古のまつろわぬ神、国譲りに最後まで抵抗した神、そんな神をおまえは殺したんだ!!」
「お前が殺した神には二種類の神が混ざった神性がある。一つ目のルーツは鋼の獅子神アラと蛇の地母神の合成神、つまりギルガメッシュに値する。ギルガメッシュは隕鉄と深い
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