幕間 〜雛に秋恋、詠は月へと〜
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裂いた。
「当然、です。あの人も、公孫賛と劉備を心理的に追い詰めるんですから」
「稟ちゃんは彼女と一緒に孫呉を追い詰めますしねー。華琳様は風達に随分と楽しいことを用意してくれたのです」
彼女達にとって、言葉を刃と化せるこれからの行動は甘い果実のようなモノ。
風は西涼に、秋斗は蜀に、稟は孫呉に。敵対勢力との前哨戦は言の葉の刃から。相手の拠って立つ場所を突き崩して、そうして全てに於いて打倒する。
「馬の一族は漢の忠臣を、謳っているようですが、月姉様を助けに向かわなかった時点で終わってます。知っていて見捨てたモノと、知っていて救いに向かったモノ、どちらが忠臣で、どちらが王の器が大きいかなど分かり切っていますからね。あの一族は所詮、勝てる方についただけの、くだらないガラクタです。帝の忠臣でもなく、漢の忠臣でもない……そんな旧きモノには消えて貰うに限ります」
「朔夜ちゃんは月ちゃんも大好きですからねー。怒ってるのは分かりますが……まあ、その辺りはしっかりと風が尋ねて来てあげますよー……」
たおやかに、風は目を細めた。のんびりとした視線に鋭さを乗せて、朔夜の藍瞳を見据える。
「……新しく産声を上げる覇王の妹と一緒に」
静かな夜の底で軍師二人は、くすくす、くすくすと小さく笑い合った。
「それでも秋兄様は、渡しません」
「どうぞどうぞー。風は縛り付けるような器の狭いことはしませんのでー」
「大人ぶってもダメです。風ちゃんも所詮――――」
また急にくだらない話に転換した朔夜と、それに乗っかる風。一人は己が業に沈んでいるが、彼女達は楽しい夜を過ごしていた。
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