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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 〜無形物を統べるもの〜
兄妹喧嘩 A
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。だからこそ、可能な限り相手を人の領域で押しとどめ、自分はその外側にまで到達した技術を用いると、この二人の会話はそういうことだ。
「それにしても、やっぱり鍛冶神の力は厄介だなぁ・・・応用がきくし」
「まあ、確かにそれはあるな、うん」
「だから・・・やっぱりまずは、それを奪おう」
湖札はそういうと和弓を構え、正確に狙いをつけて・・・たった一本の矢で、マシンガンを破壊した。
「・・・マジか」
まさか一本だけで完全に破壊されるとは思っていなかったのか少しの間一輝の行動が停止したが、鬼が近づいているのに気付いてすぐに立て直す。
再び蚩尤の力を用いて二振りの短め剣を作り、それを両手に握って鬼を切る。湖札がいる限り無限に湧いて出るそれを相手し続けるのはバカらしい話なので、自分の周りからいなくなったところで、
「ああ、八面の君よ。八の首を持ち、その猛威を振るった蛇の王よ。祖は人々に忘れられてもなお、その力衰えることなかれ!」
それは、とある蛇を召還する言霊。ヤマタノオロチの原型でありながら、しかし人々に忘れ去られてしまった、蛇の言霊。
「今ここに顕現せよ、八面王!」
名の通り、八つの顔を持つ大蛇の化け物。一輝は自ら召喚したそれに乗り、
「鬼どもを蹴散らせ、食い散らせ!」
とても単純な、しかし効果的な命令を下す。そして、八面王もまたその命令に従って鬼をその巨体で蹴散らしつつ、食らっていく。そうして大量の鬼が消えていく中、湖札はさらに距離をとって鬼を作り出しつつ・・・言霊の矢を構えた。
「軍神の一柱、鍛冶神蚩尤。それは中国神話に登場する、牛の頭と多六本の腕を持つ姿で語られる神の名です」
「あ、ヤベ」
湖札が言霊を宿すのを聞いた一輝はあせるが、それで八面王の動きが速くなるわけではない。さてどうしたものかと考えた結果・・・降らせることのできる範囲に剣の雨を降らせる。
八面王には、鱗の硬さゆえに刺さることがない。しかし鬼には、十分に刺さる。一輝はその方法で少しでも急ごうとしているのだ。だが、
「我が百鬼より来たれ、アオドンドン」
湖札がそれを見てもなお、鬼だけで済ませるはずもない。湖札は何のためらいもなく、今自分が出すことのできる最大の戦力を投下した。
「汝は語られることで顕現する。百の物語を媒介として、新たなる一となったもの。故に我は、百の中の一を求める。・・・ヤマタノオロチ!」
湖札の言霊に従い、鬼女は八つ首の蛇となった。そしてそのまま、八面王へと向かう。
伝承としては互角になる二匹の蛇。それらはそのまま互いを食い千切らんと襲い掛かり、結果として一輝の行動は阻害される。
一輝はその状況からどうにか抜け出せないかと考えを巡らせるが・・・
「彼の神の周りは霧が立ち込め
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