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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
兄妹喧嘩 A
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「さて、と・・・準備運動はこれくらいでいいか?」
「まあ、うん。そうだね。・・・これくらいでいいんじゃないか、な!」

鍔迫り合いをしていた二人はその言葉と同時に後ろへ飛び、湖札は袖から大量の白い霧を出してそれを鬼の群れへと変える。
一輝はそれを確認すると、蚩尤の持つ鍛冶の力を用いて次々と剣を作り出し、それを鬼に向けて放つ。
鬼の軍勢と剣の嵐がぶつかり合い、互いに互いの数を減らしていく中、双方の将はその様子に目もくれず互いを見ている。いや、むしろ一瞬でも目を離せば敗北するがために目を離すことができないのかもしれない。
その状態がしばらく続き、鬼の軍勢が剣の嵐に押され始めてきたところで、湖札が動いた。

「式神武装、“(きゅう)”」

手持ちの式神すべてを用いて和弓を作り出し、遠距離から次々と矢を放つ。放たれた矢は本来矢が出すようなものではないスピードで鬼や剣にあたることなく一輝の元まで飛んだが、一輝はなんてことはないかのように剣で切り落とす。
そのまま湖札が放った矢を一輝がすべて切り落とすというやり取りが繰り広げられたが、しびれを切らせた一輝がマシンガンを作り出し、それを構えた。
この状況でただのマシンガンかと侮るなかれ。仮にもこれは一柱の鍛冶神の力で造られた伸造の武具。威力一つとっても既存の全てより高く、逆に反動は既存の全てより低い。そして弾は作り出す限り無限という、キチガイスペックである。
 そんな無茶苦茶な代物を一輝は構え、大雑把な狙いだけを付けて引き金を引く。もちろんそんな状態で放たれた弾は全てが湖札に届いたわけではないが、数を打てばその何割かは狙った場所にあたる。当たらなかった弾も、鬼にあたりそれを消し去っているため、無駄にはならない。
一輝はそうして放ちまくった弾が湖札まで届きつつも、しかしその全てが湖札がギフトカードより取り出した刀によって切り落とされているのを見て・・・現状を維持しつつ、湖札に向けて走り出した。

「ちょ、マシンガン撃ちながら走るってなにそれ!?」
「距離詰めるにはそれしかないだろ!ってか、逃げんな!」
「この状況で!?」

一輝が近づくのに対して、湖札は刀で弾をはじきながら後ろに跳ぶようにしてはなれる。
その中で湖札は鬼を作り出したりもしているのだが、その全ては数の暴力によってあえなく散った。

「ってか、距離詰めねえと俺が不利なままなんだよ!」
「だからこそ距離をとってるの!兄さん剣術と体術以外は、よくて達人レベルだし!」
「お前だって剣は俺と変わらねえだろ!」
「だからってわざわざ距離を詰めさせるか!」

今の会話に対して違和感を感じるかもしれないが、この二人は一切ふざけていない。達人クラス、というのは人の中では超上位であるが故に・・・所詮は、人の領域である、と
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