4部分:第四章
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たんですか。それで」
「ちゃんとトイレもできますし身体の構造も普通ですよ」
先生はそれはちゃんと保障するのだった。見れば後ろの頭の下のところに肛門等もある。見ればこのオシツオサレツはオスであった。
「後ろの頭が尻尾のかわりに出ているだけで」
「そういうことですか」
「そうです。何はともあれオシツオサレツは本当にいます」
「そうですね」
とにかくこれだけは間違いがなかった。最早否定しようがない。定文は今はしっかりとした顔で頷くばかりであった。
「わかりました」
「わかって頂き何よりです」
先生はまずはそのことに満足した顔になる。
「それではですね。次は」
「次は?」
「私に付き合って下さい。宝石を見つけに行きますよ」
「宝石をですか」
「七色に輝く幻のレインボーダイアモンド」
また随分と派手なものである。
「それが見つかったそうですから。早速調べに」
「ダイアはいらないんですか」
「調べるだけです」
どうやらダイアの価値には全く興味がないらしい。完全に研究者として動いている博士であった。
「ですから。早速」
「はあ」
「じゃあさ、定文君」
昌信が明るく彼に声をかけてきた。
「行こう。今度はそのレインボーダイアモンドを観にね」
「わかったよ。それにしても」
急かされながらもまたオシツオサレツを見る。その不思議な生き物は自分がどれだけ不思議な存在と思われているかということは全く意に介さずのどかに草を食べ続けている。彼はそれを見て言うのであった。
「本当にいるんだな」
最後にこう言って昌信に手を引かれて車の中に入る。先生が運転するその車はせっかちに出発する。オシツオサレツはその車も意に介することなくただ自分の時間を過ごしているのであった。
オシツオサレツ 完
2008・11・23
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