暁 〜小説投稿サイト〜
恋愛多色
返事は必ず
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指していた。
「え?ずっと寝て他の私?!ゴメンネ!」
私は藤原に謝る。
「いいっていいって、買い出しに行ったあいつらも、何故かまだ戻ってこない…し」
藤原は前の入口のほうを見たまま動くなくなった。
「え?どうした…の」
そこには例の二人が、にやにやしながら覗いている姿があった。
「なるほどねぇ」
「そういうことだったのかぁ」
二人はまだにやにやしながら、藤原に近づく。
「だから行かせたくなかったんだー」
「お前策士だなー」
「なっなんだよ!ちげーよ!」
「え?何が?」
「何も言ってないのに」
「「ねー?」」
「あーも!」
もしかして、いやそんなわけないじゃん。この二人の勘違いだろう。
「ねえ安祐美」
「ん?」
美代が携帯片手に、私に近寄ってくる。
「あんたが寝てた時に、藤原が何て言ってたか、知りたい?」
「おいお前!」
阻止しようと暴れる藤原、それを羽交い絞めにする中村。
「うん」
何か確かめないともやもやする、このまま帰れるわけがない。
「それじゃーぽちっと!」
「やめっ!あがっ!」
藤原は口も塞がれ、抵抗する術を亡くした。
『ったく、風邪ひくぞ』
『あ、上着かけた』
『ほんとだ』
藤原の声とともに、覗き組二人の声も一緒に入っている。
『はぁ、これ俺一人ですんのか…』
ほんと、ごめんなさい。
『どんだけ夜更かししてんだよ』
夜更かししてないもん!夜更かしはお肌の天敵!毎日2時には寝てるよ!
『ふっ、かわいい寝顔しやがって』
え?
『何でこんなやつ好きになったんだろ』
え?え?
頬が熱くなるのを感じる、そんな、そんな!
『おい!今の!』
『ばっちり録音してあります!』
『イヤーまさかねー』
『ねー』
二人の会話が、薄っすら耳に入る。
「さ、どうする?」
笑顔、というより、やはりにやにや顔で、美代は私を見る。
「どうするって…」
まともに見れないため、横目で藤原を捉える。暴れつかれたのか、さっきと打って変わって大人しい。
「私は…」
「いつまで残ってんの」
タイミングよく表れる先生。テンプレにもほどがあるだろう。
「さあさあ、早く帰った帰った」
「「「「はーい」」」」
藤原、ちょっと待っててね、返事は必ず、明日にはするから。
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