暁 〜小説投稿サイト〜
魔法科高校の神童生
Episode37:一と九十九と紫と
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のとは思えないほどの光を宿していた。
 真っ直ぐで、純粋な。うっかりその言葉を鵜呑みにしてしまいそうになる程、完璧な装い。

「…あんたは取り入るのが得意みたいだね。けど、まあ、言葉に嘘はないみたいだから信用するよ」

「完璧に信用はしてくれないんだねぇ…まあ、今はそれで十分さ。君の協力なくしてエリナは取り返せない。僕じゃあ、逃げおおせることはできても、奪い返す力はないから」

 それでも、信じきる事はしない。闇に生きるものにとって、腹の内が分からない相手を容易に信用するのは莫迦のすることだ。
 けれど、木場と同じく自分一人で確実にエリナを奪還する事は難しい。ならば、利害関係の一致している相手と手を組むのがベスト。

 張り巡らせていたワイヤーを回収する。首に食い込んだ死の糸の圧迫が消えたのに安堵のため息を漏らしている胡散臭い男に感謝を告げ、雑木林を後にした。
 次は試合は大一番。必ず、勝つ。



☆★☆★



 係員に案内された所定の位置に立ち、プロテクトアーマーに仕舞い込んだ武装を確認する。
 左胸のポケットにはタブレットタイプの汎用型CAD。右太腿のホルスターには拳銃タイプの特化型CAD。両手には愛用のシルバー・フィフト。そしてズボンの左ポケットには、ワイヤー。全て動作に異常はない。

「それでは移動を開始します」

 視界が閉ざされて、体が一人でに動き出す。決勝の舞台は遮蔽物がなにもない草原ステージだ。モロに実力差が表れる地形で、どれ程戦えるか。

 そんなもの、考えるまでもない。あちらは挑発の通り、こちらを殺す気でかかってくるだろう。それぐらいの心算は達也たちにもさせておいた。
 自分にできるのは、いつも通り。
 叩きのめすことだけだ。



☆★☆★



 新人戦モノリス・コード決勝。その開始の合図が鳴った。
 遮蔽物の全くない草原ステージに、ルアーを除く六人の選手が行動を開始する。

 試合開始のブザーが鳴ったのと同時、互いのオフェンスは彼我の距離が六百メートルもあるにも関わらず魔法を撃ち放ち歩み寄り始めた。

 将輝が選んだのは圧縮空気弾を放つポピュラーな魔法。対する達也は、無系統に分類される対抗魔法『術式解体(グラム・デモリッション)』で迎え撃つ。

 だが、やはりここで両者のスペックの差が出てきてしまう。近づけば近づく程、朱色の拳銃型CADを操る将輝の魔法の精度が上がっていくのに対して、処理能力で劣っている達也は防御に手一杯の状況に陥る。

 更に最悪な事に、自陣モノリス付近で待機していた吉祥寺が一高モノリスへ接近を始めた。
 しかし達也にそれを気にしている暇はない。矢継ぎ早に放たれる圧縮空気弾を『術式解体(グラム・デモリッション)』で撃
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