第四十七話 院長の話その六
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「あたし達を造った奴とその錬金術師は対立してるな」
「そう思うね」
「ああ、そうだよな」
「伯爵もそう言っていたよ」
「やっぱりな」
「ただ、その二人の名前はね」
それだけはというのだ。
「教えてくれなかったから」
「そうか」
「ただ、そこまでの知識と技術を持っているとなると」
「相当な奴だよな」
「その筋では有名な筈だよ」
「そしてその二人を知っているのが」
薊はその目を光らせてまた言った。
「サン=ジェルマン伯爵か」
「そうだね」
「何処にいるかわからない人だよな」
薊は院長にこのことも尋ねた。
「その伯爵は」
「そう、人類の歴史の謎の一つとされている人で」
それで、というのだ。
「不老不死とも言われていてね」
「タイムマシンも持ってるんだよな」
「そうした人だから」
「何時何処に出て来るかわからないか」
「そうなんだ」
「そういえば言われたな」
その伯爵についてとだ、薊はこれまでの話で出て来た伯爵のことを思い出した。
「あたし達もひょっとしたらこれまであの伯爵と擦れ違っているかも知れない」
「そうだね」
「少なくとも伯爵はあたし達のこと知ってるから」
「見ている可能性はあるね」
「近くにいるのかね」
こう首を傾げさせて言う薊だった。
「それか遠くにいても何かで見ているとか」
「どっちにしても」
ここでまた言う院長だった。
「伯爵は薊ちゃん達を見ているね」
「いつもか」
「時々でも近くに来ているかもね」
「そうなんだな」
ここまで聞いてだ、そしてだった。
薊は腕を組んで考える顔になってこう言った。
「近くに来た時に見付けてやるさ」
「そしてだね」
「ああ、話を聞くさ」
伯爵個人からというのだ。
「そうしてやるさ」
「そうか、それじゃあな」
「わかった、ならな」
こう話してだ、そしてだった。
院長はここまで話してだ、薊達に優しい笑顔であらためて言った。
「それでだけれど」
「それで?」
「もう君達は御飯を食べたかな」
ここで尋ねたのはこのことについてだった。
「どうかな」
「ベースで食ってきたよ」
薊は院長ににこりと笑って答えた。
「あそこのバイキングな」
「そうなんだね、それじゃあ」
「今は腹一杯だよ」
「それなら晩御飯を食べるといい」
そのならと言う院長だった。
「そうしたらどうかな、部屋もあるから」
「そこで泊まってもか」
「いいよ」
「何か悪いな」
「いや、薊ちゃんは私達の子供じゃないか」
「だからか」
「うん、その薊ちゃんのお友達ならね」
裕香達もというのだ。
「大歓迎だよ」
「すいません」
院長のその言葉に裕香が一同を代表して礼を述べた。
「何か気を使って
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