第四十七話 院長の話その三
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「身体から火を出したり武器を自然に出したり。身体能力だってさ」
「そうしたことを自分自身でも」
「おかしいって思ってな」
それで、とだ。薊は院長に話した。
「そう思ってたんだよ」
「そうだったんだね」
「ああ、それにあたし達全員孤児だしな」
薊は仲間達も見回した。
「変な一致だって思ってたよ」
「その勘の鋭さは健在だね」
「勘は別に何ともないよな」
「うん、ないよ」
人造人間であるかどうかとは、だ。
「別にね、ただ」
「あたし達のことはか」
「君達は人造人間だと言ったけれど」
「ホムンクルスか」
「ホムンクルスかというとそうであると言えるしないと言えるよ」
院長はここでは矛盾する表現をあえて使った。
「どちらともね」
「っていうとどういうことだよ」
「あの伯爵の話だけれど」
院長の前に現れたサン=ジェルマン伯爵のそれはというのだ。
「ホムンクルスは完全な錬金術だけれど」
「あたし達を生み出したのはか」
「科学だってね」
「クローンか何かですか?」
菊は科学と聞いてすぐにこの技術を連想して院長に問うた。
「そうですか?」
「いや、君達はどうやら姉妹みたいらしいけれど」
「それでもですか」
「うん、ホムンクルスでなくて」
あくまでそれではないというのだ。
「同じ人の細胞からそれぞれ造られた」
「そうした存在なんですか」
「そう言われたよ」
「一から、ですか」
「君達はね」
ここでだ、院長は八人も見て言った。
「八人共その名前は北斗七星のものだね」
「そうです」
ここで答えたのは桜だった。
「皆」
「そうだね、北斗七星の星は八つだよ」
「双子星も入れてですね」
黒蘭は自分の星のことからこう言った。
「アルコルも」
「そう、その星も入れて八つだよ」
「それが私達八人ですか」
「何かね、このことにもね」
おそらくとだ、院長は薊達のことを考えつつ述べていった。
「大きな秘密があるね」
「私達の名前が北斗七星であることからも」
向日葵も院長の話から考えた。
そしてだ、向日葵は院長にこのことも言った。
「私達が倒した相手、怪人の背中にそれぞれの符号が出ます」
「北斗七星のだね」
院長もわかっていて応えた。
「そうだね」
「はい」
「それもだね」
博士は向日葵の話からも頷いて言った。
「君達の謎の鍵だよ」
「あたし達が人造人間だっていう」
「伯爵は言ったよ」
院長は薊達にさらに話した。
「君達はまずは一つの細胞から造られて」
「そこからか」
「それぞれ人間の胎内と同じ様な場所で十ヶ月育てられて」
「それで赤ん坊になってか」
「人間として世に出てね」
そして、というのだ。
「育ったんだよ」
「クロ
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