第六幕その五
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「それは当然でしょ」
「そこでそう言うのね」
「悪いかしら」
「悪いって言っても態度をあらためないわよね」
「それが私よ」
ガラスの猫というのです。
「あくまで私はわたしなのよ」
「そう言うからね」
それで、と返すナターシャでした。
「大体猫はそうだし」
「猫は偉そうなのが普通なんだよね」
ハンクもその猫を見て言います。
「この娘みたいに」
「そうよ」
猫の方も否定しません。
「私達は偉いのよ」
「どうして偉いのかがわからないのよね」
ナターシャは首を傾げるばかりでした。
「そのこと自体は」
「私達猫が偉い理由?」
「別に何もしれくれないでしょ」
ナターシャはこの事実を指摘しました。
「犬は番をしてくれて牛はお乳を出してくれて鶏は卵を産んでくれて」
「僕達は人やものを運ぶよ」
ハンクはロバとして自分達の仕事のことを言いました。
「ちゃんとね」
「けれど猫は?」
ナターシャはまた猫に問いました。
「何をするの?鼠を捕まえるにしても」
「今はもう鼠はね」
恵里香が言います。
「捕まえなくてもね」
「そう、鼠捕り器もあるし他にも一杯あるから」
「別にね」
「ましてやオズの国だと悪戯をする鼠もいないし」
「猫のお仕事もないわよね」
「それでどうして偉いの?」
ナターシャはガラスの猫に尋ねるのでした。
「それはどうしてなの?」
「決まってるわ、皆私達を見てどう思うかしら」
「?猫を見て?」
「そう、どう思うかしら」
猫はナターシャの問いにです、まずはこう問い返したのです。
「私達を見てね」
「可愛いと思うわ」
ナターシャは猫の問いにこう答えました。
「やっぱりね」
「そうでしょ、その他にも思うわよね」
「ええ、和むし」
猫を見ているとです。
「それに触ったりおもちゃを出して一緒に遊びたくもなるわ」
「癒されるでしょ」
猫は具体的にナターシャに言いました。そのことをお話してそのうえでこうしたことも言ったのでした。
「それなのよ」
「それがなの」
「そう、猫のお仕事なのよ」
「そこにいるだけで人を癒せるから」
「猫は偉いのよ」
こう言うのでした、猫は胸を張っています。その仕草自体がとても偉そうで誇らしげなお顔でナターシャにも他の皆にも言うのでした。
「それ故にね」
「そういうことになるのね」
「これでわかったわね」
「ええ、そう思うと確かにね」
「猫は偉いわね」
「確かにね。けれどね」
それでもと言うナターシャでした。
「貴女はその猫の中でもとりわけ偉そうね」
「当たり前よ、私は普通の猫じゃないのよ」
「ガラスの猫だから」
「そう、余計に偉いのよ」
他の猫よりもというのです。
「何も食べることも飲
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