第六幕その一
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第六幕 クマセンターへの道
一行はハーグの都からクマセンターに向かいます、その中で。
お空を飛ぶ一羽の鳥を見てです、ナターシャはしみじみとした感じでこんな言葉を呟きました。
「あの鳥は赤だったから」
「ええ、カドリングの鳥よね」
恵里香もその鳥を見てナターシャに応えます。
「あの鳥は」
「そうね、カドリングからウィンキーに来てるのね」
「それであの方角は」
「ギリキンね」
鳥は南から北に向かっています、それならです。
「あちらに行くのね」
「そうよね」
「翼があれば」
それならと言うナターシャでした。
「速く、そして楽に行き来出来るわね」
「そうよね」
「お空を飛べたらね」
その翼で、です。
「出来るわね」
「そうよね、ナターシャは鳥が羨ましいの?」
「時々そう思えない?」
「飛べるから」
「そう、ああして飛べるからね」
その通りだと答えるナターシャでした。
「時々そう思うの」
「鳥が羨ましいって」
「自分でお空を飛べたら」
それこそとです、ナターシャは遠くに飛んでいくその赤い鳥を見ながらそのうえでこうも言ったのでした。
「素晴らしいわ」
「確かにそうよね」
「どんなに楽しいかしら」
自分の力でお空を飛べたらというのです。
「本当にね」
「そうよね、ただ」
「ただ?」
「ここは不思議の国だから」
恵里香はナターシャにこう言いました。
「飛べるじゃない」
「あっ、ガーゴイルの羽根もあれば」
「そう、他にもね」
「飛ぶ方法があるわね」
「オークに掴んだりね」
「メリーゴーランド山脈も飛行船で越えたし」
「色々あるじゃない」
お空を飛ぶ方法はというのです。
「自分で飛ぶ方法じゃないものもあるけれど」
「そうよね」
「他にも魔法であると思うし」
「あるわよ」
ガラスの猫がここで言ってきました。
「魔法でお空を飛ぶ方法あるわよ」
「自分で?」
「ええ、魔法使いさんやグリンダ、それにオズマが知ってるわよ」
オズの国で魔法を使える人達がというのです。
「魔法のマントや翼を付けてね」
「そうしてなの」
「そう、飛べるわよ」
それが出来るというのです。
「魔法を使ってね」
「そうなのね」
「だから必要な時、飛びたい時はね」
「その魔法でお空を飛べるのね」
「そうよ、オズマ達に許してもらえればね」
その時はというのです。
「出来るから」
「それじゃあ」
「飛びたい時はお願いするのね」
「そうしてみたらいいわ」
ベッツイもナターシャにこう言いました。
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