第28話
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強襲するアルファーをライフルで迎撃する。零式の守りを容易く突破した光の奔流は、アルファーが発した球体の守りに反らされる。同タイプ、いや同じ機体とも言える相手だ。能力も同等以上のものがあるのだろう。だが解せないのは攻撃の『理由』だ。敵対行動をしたわけでも、害になる行為をしたわけでもない。一切の意図が見えないのだ。
『丹下!』
「!織斑先生!」
ヴァンガードのオープンチャンネルに、先生から通信が入った。よし、事態が少し良くなった!
「突然アルファーの攻撃を受け、現在迎撃中、指示を!」
『その制作者の伝言だ。『遊んであげて』、だそうだ』
「無茶苦茶な!篠ノ之博士は!?」
『紅椿の調整後、姿を消した。どこに居るかも分からん、更に作戦で人員も割けん。悪いが、丹下に任せる』
「ならゼロ達の回収を!」
『繰り返すぞ、人員は割けん。通信は以上だ』
アルファーの翼から発射される無数の羽をスフィアで受け止めながら、通信のやり取りをするが、帰ってくるのは無情な結論。ゼロの安全の為に離したのが裏目に出るなんて、完全に予想外だ。先生の言葉も、口調の裏に苦々しさを感じさせるが、それで好転はしない。ならば!
スフィアの中で、ヴァンガードが輝く。再び適した姿となるために。六枚のウイングが、小さくなり両肩の表と裏にくっ付く。更にもう六枚のウイングが成生され、肩の上部に四枚、残りは腰の後ろに尻尾のようにくっ付いた。スラスターは以前の四基、倍以上の出力になったそれに戻る。外見は棘だらけにも見える。
「行け!」
アルファーを指差し、肩のウイングを一気に射出、飛び回る新たなるウイングが、翡翠の光線と刃で、羽を撃ち落とす。邪魔する羽を排除し、盾から剣を抜く。アルファーも羽の発射を止め、柄の無い鋭角な両刃の剣を展開した。
勝負だ、束ヴァンガード!
───────────
二つのヴァンガードがすれ違い、激しく火花を散らせる。鏡写しのような攻防が続き、きっかけを掴めない。攻めて駄目なら!
アルファーを覆うようにスフィアを出す。自らを中心にすれば、守りになるが、相手に使えば檻になる。だが、考えることは向こうも同じようで、まったく同じタイミングで、アルファーの球体に閉じ込められた。
「千日手かよ…。だがっ!」
ライフルで球体に穴を開ける。アルファーも展開した大型の銃器でスフィアを砕く。次は火力対決か。
光の奔流が衝突する。突破したのはアルファーの光、だがこっちも全力ではない。ライフルにセットされたカートリッジを外し、腰のサイドアーマーに付けられたら別のカートリッジと入れ替え、もう一度撃つ。今度はアルファーの光の打ち破り、アルファーを襲う。このライフルはカートリッジのエネルギーを消費して発射する。当然、消費次第で威力も
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