第7話
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っ!無駄な抵抗をするな!!」
構えた相手に目をやると、猪々子ほどではないがかなりの大剣を下段に構え、仇を見るような目でこちらを威嚇するデコの広い娘がいた。
そして視界に入った二人――公孫賛は突然のことで口をあけたまま呆け、曹操は片手で頭を押さえていた。
「娘―――なんの真似だ?」
「ぬぐっ!?男にしては少しは出来るようだな、だが!華琳様をかどわかそうとする「春蘭」はい!華琳様!!」
「ごめんなさい袁紹、彼女は少し短気なところがあるの。怪我が無くて良かったわ」
曹操に声をかけられ静止するデコの娘、真名で呼び合っているようだがまさか……
「察しがついていると思うけど、この子が私の側近の一人よ……春蘭、自己紹介なさい」
「し、しかし華琳様」
「春蘭」
「……はい」
しぶるデコ娘を曹操が諌めると先ほどの怒気が嘘のように鳴りを潜め、心なしか頭上から出ている毛――所謂アホ毛と言われる物が萎れていた。
「いや、自己紹介以前に斬りかかった事に対してもっと何かあるだろ!?」
呆けていた公孫賛が意識を取り戻したようで慌てて声を上げたが
「心配しすぎよ公孫賛、さすがの春蘭もこんなところで刀傷沙汰を起こすつもりはないわ、そうでしょう?」
「うむ!悪かったな、ちゃんと首筋で止めようと思っていたぞ!!」
「だとしても問題だらけだろうがーーー!!」
「それに、彼の技量があったから大した事にはならなかったわ、そうでしょう袁紹?」
「うむ、我に掛かればあのくらいは造作も無い。フハハハハハ!!」
公孫賛の心中をまったく意に返さない三人のやりとりに思わず彼女は「あれ?私がおかしいのか?」と頭を抱えた。
「まったく姉者は、今回はやりすぎだぞ?」
「おおっ秋蘭!」
するとどこからか秋蘭と呼ばれた女性がやって来てデコ娘を諌める。
その姿に自分以外の常識人の登場かと顔を輝かせた公孫賛であったが――
「そんな姉者も可愛いなぁ……」
その一言でまた頭を抱えた。どうやら彼女も只者ではないらしい、そして恍惚の表情でデコ娘を見た後こちらに向き直し自己紹介した。
「お初にお目にかかります。私は華琳様の側近の一人『夏侯淵』と申す者、以後お見知りおきを――そして此方が」
「その姉で華琳様の一の家臣『夏侯惇』だ! 」
丁寧に自己紹介の挨拶をする夏侯淵に対し、夏侯惇は腰に両手を置いて発育途中の胸を突き出すようにして声をだした。
どうやらこの二人が有名な夏侯『姉妹』らしい、双子にもかかわらず二人は真逆の気質を持っていた。
そしてそんな二人を見て袁紹は
「ふむ、我が側近に少し似ているな」
自分の側近達と少し似た二人の関係性や雰囲気に思わず口にだすと
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