暁 〜小説投稿サイト〜
転生とらぶる
マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0957話
[1/6]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
 地震の揺れが一段落し、ピニャからの要請とレオンの思惑により、俺達は皇帝のいる皇宮へと向かっていた。
 尚、ピニャの離宮に務めているメイドや執事の類はそのまま離宮に残してきている。警備の兵士も俺達――正確にはピニャ――についてきた数名を除いてはメイドや執事の護衛として残してきた。
 メイドや執事が今の状況で城に行っても何かの役に立つ訳でもないし、しょうがないだろう。いや、怪我をしている者がいれば応急手当くらいは出来たか?
 かなり大きな地震だった事を考えれば、城の一部が崩れたり、あるいは怪我をした者もいるかもしれない。それを思えば多少は連れてきても良かったのかもしれないな。
 そんな風に考えつつ、城に到着したのだが……

「異様に混乱してないか?」

 呟いたのはスティング。
 実際スティングの言う通り建物の隅で頭を抱えている者もいれば、あるいは右往左往している者、パニックに陥って壁に頭を叩きつけている者、松明を手に叫び声を上げている者といった風に、まさに混乱の極地といった状況になっていた。
 石造りの城とはいっても、燃える物がない訳じゃない。松明を持って叫んでいる奴は、取りあえず高畑が気絶させてから松明を取り上げ、地面に寝かせる。
 俺は混沌精霊としての能力のおかげで暗闇の中でも全く視力に困る事はないが、他の面々はそうもいかない。その為、ピニャの護衛としてついてきた兵士へと高畑が取り上げた松明を渡し、視界を確保する。
 いや、当然城の中に入る時に他の兵士達も松明を手に持ってるんだけどな。

「で、どこに向かうんだ?」
「謁見の間だ。恐らく皇帝陛下はそこにおられる筈。もしそこにいなければ、寝室の方へ向かう必要があるだろうが……それにしても、ここまで誰も咎め立てしないとは情けない」

 周囲で混乱している兵士に視線を向け、溜息を吐くピニャ。
 兵士達にのみ視線を向け、右往左往している城のメイドや執事といった者達に対しては呆れた視線を向けていないのは、やはり非常時だからこそだろう。
 それだけ城を守る兵士の質が落ちている事の証明でもある。
 ……いやまぁ、そうなった原因は間違いなくホワイトスターやアルヌスの丘での戦いで帝国軍の多くが死んだり捕虜になったりした事や、あるいは従属国の反乱の鎮圧に向かわせた帝国軍が負けまくったせいなんだろうから、その原因を作った俺が言うべき事じゃないんだろうが。
 そんな風に思いつつ、本気で誰からも見咎められる事がないままに謁見の間と思しき巨大な扉の場所へと到着する。
 さすがに謁見の間の前ともなれば、兵士……いや、騎士か? ともかく、他の場所にいる者達とは違って混乱している様子はなく、しっかりと扉を守っている。

「ご苦労。皇帝陛下はおられるか?」
「ピニャ殿下!? はい、皇帝陛下も
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ