マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0957話
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の反動が起きると。……それにしても兄上もよくそれをご存じでしたね」
「アキエからの情報でな」
「……アキエ? 珍しい名前ですね」
「ああ、こいつだ」
そう告げゾルザルが持っていた鎖を引っ張る。
その先にいるのは、裸の女。
ゾルザルの趣味の悪さに微かに眉を顰めるが……それは、次の瞬間には全て吹き飛ぶ。
「アクセル、代表?」
そう。アキエと呼ばれた女が、俺を見てそう告げたのだ。
それも、技術班が作った翻訳機を通してではなく、俺にもよく理解出来る言葉で。
瞬間、俺は思い出す。このアキエと呼ばれていた女に見覚えがある事を。
交流区画で俺がよく利用していた喫茶店の近くにあった各世界の小物を売っていた店の店員で、オーブの出身である事を。
そして帝国がホワイトスターに侵攻してきた時に死体が見つからず、行方不明という扱いになっていた事を。
最終的にはゴブリンやオークによる攻撃か、あるいは帝国軍の魔法使いによって判別出来ない程に死体が損傷させられたという扱いになっていたのだが……それがここにいた? つまり、なんだ。こいつらは、ホワイトスターで……シャドウミラーの本拠地で攫って行った人間を奴隷にしたというのか?
「っ!? お前!」
それと同じ事に気が付いたのか、ムウが思わずといった様子で声を上げる。
だが……既にそれは関係無い。1歩を前に踏み出し、気が付けば俺の前にはゾルザルの姿。
何が起きたのか分からない、そんな表情を浮かべてポカンと俺を見ている。
そんなゾルザルの腕に……アキエの首輪から伸びている鎖を持っている腕へとそっと手を伸ばす。
指がゾルザルの腕へと触れたその瞬間。周囲に血が弾け飛ぶ。
俺に向かっても血の雫が飛んでくるが、そんな汚らわしいものを身体に付けたくもないので、触れる前に白炎を使って蒸発させる。
「……え?」
何が起きたのか、全く分からずに呟くゾルザル。
その視線が、俺の右手へと向けられ……次に自分の右手へと向けられ……そこに何も存在しない事を、自分の右手が肘から千切られて俺の手の中にある事に気が付き、悲鳴を上げる。
「ぎゃっ、ぎゃああああああああああああああああああっ!」
「やかましい、その汚い口で喚くな」
肘から先が無くなった右腕を左手で押さえつけ、床の上を転がり回るゾルザル。
その左足にそっと触れ……再び響くブチブチッという肉その物を引き裂く音と、膝の関節を捻切る際に響き渡る音。
右腕の肘から先と、左膝から先がなくなったゾルザルは、既に声も出せない程に怯えきっている。
周囲にいる帝国の貴族達からは何も声が出ず、唖然としているのを余所にそのまま過呼吸のような状態になっているゾルザルの耳へと手を伸ばし……再び周囲に響く肉を
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