マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0957話
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、ゾルザル殿下も現在は中におられます」
「そうか、では通してくれ」
「その、殿下。そちらは……」
騎士が俺や他のメンバーを見てそう尋ねてくるが、ピニャは問題ないと首を横に振る。
「この者達は妾の客人だ。先程の地震と呼ばれる現象についての知識を有している故、皇帝陛下に目通りさせる為に連れて参った。身分の保障に関しては妾がしよう」
皇女であるピニャにここまで言われてしまえば、騎士にしてもそれ以上食い下がる事は出来なかったのだろう。俺達の方を一瞥すると扉を開ける。
その瞬間、部屋の中から叫び声が聞こえてきた。
「ですから、また揺れが起きるとアキエが言っているのです!」
この声は……確かゾルザルとか言ったか?
切羽詰まった様子なのは、やはり地震……待て。この地の住人は……少なくてもこの帝都に住んでいる者は地震という存在自体を知らなかった。なのに、揺れが起きると知っているだと?
そんな風に疑問を思っている俺の横では、ムウが不思議そうな顔をして部屋の中を覗き込もうとしていた。
「どうした?」
「いや、アキエって名前……この世界にしては珍しいと思ってな」
そんな風に言っている俺やムウの前で、ピニャが部屋の中へと入っていく。
取りあえず話を一端中断してそれに続く。
部屋の中は30畳程もの広さがあり、一段高くなっている場所には玉座が。そして玉座には50代から60代程の男が1人腰を掛けている。
恐らくあの男がモルトなのだろう。
そして周囲には騎士や貴族と思わしき者達が大勢おり、玉座の向かいにいるのは先程の声の主でもあるゾルザル。
驚いたのは、ゾルザルが鎖を持っていた事だ。
いや、鎖を持っているというだけでは特に驚くべき事ではないかもしれないが、その鎖の先には首輪を付けた裸の女が引きずられるようにして床へと倒れ込んでいる。
「……」
奴隷がいると言うのは聞いていたが、こうして直接見ると気持ちのいいものではないな。
シェリルが不愉快そうに眉を顰め、他の者達にしても同様に不愉快そうな表情を隠してはいない。
高畑に至っては、いつの間にか手がポケットの中に収められており、いつでも居合い拳を放てる体勢をとっている。
……おい。魔法界では未だに奴隷が存在しているんだろうに、何でこの中でお前が一番爆発しそうなんだ。
そんな俺達には全く気が付いた様子もないまま、ピニャは前へと歩み出て口を開く。
「皇帝陛下、兄上の言っている通りです。先程の揺れが再び起きるかもしれないという話です。このままでは城が崩れる危険がありますので、今は一刻でも早く避難を……」
「ほう、ピニャ。お前も再びの揺れについては知っていたのか。その者達からの情報か?」
「はい。先程の強い揺れがあったもの
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