2部分:第二章
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パヨカカムイは今のシャクシャの言葉を聞いて満足した顔で微笑んだ。どうやら彼にとっては満足のいく返事であったらしい。
「そうでなくては教える張り合いがない」
「ですか」
「そうじゃ。ではな」
こう前置きしてからまた話すのであった。
「この辺り一体には多くの薬草がある」
「薬草ですか」
「そうじゃ。それを危急の際に食べれば病を避けることができる」
こうシャクシャに教えてきた。そのうえで彼の前に多くの種類の草を出してきた。そしてその一つ一つを取って説明するのである。
「例えばこれは腹にいい」
「腹に」
「これは風邪じゃ」
「風邪ですか」
「そしてこれは傷口に当てるとよい」
一つ一つ念入りに教えていく。それを全て教え終えると満足した顔でまた言ってきた。
「これでわかったな」
「はい、わかりました」
シャクシャもまたパヨカカムイの言葉に満足した顔で頷くのだった。
「これで全て覚えました」
「また簡単に覚えることができたの」
「こういうことは得手でして」
静かに笑って答えてみせた。
「それでです」
「そうか。では元々猟師は向いておらんかったのだな」
まじまじとシャクシャの身体を見つつ述べる。見ればその身体は痩せていて如何にも力がなさそうだ。弓を引くのも弱そうだとすぐに思える程だ。
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