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カシアン=チミーのお話
第六章
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「それで丘の上で」
「お弁当を食べてな」
「そしてな」
 そうしてなのです。
「それからはな」
「帰るだけね」
「お家にな」
 その巣にです。
「たったそれだけのことでもな」
「妙に楽しいわね、今日は」
「全くだ、いいものだ」
「そうね、かなり久しぶりに行ってみたけれど」
「うきうきするな」
 その心がというのです。
「普通にしているだけなのにな」
「二匹で丘の上まで歩いていくだけで」
「水滴が奇麗に見えて」
「ビニールも中々見付からなくて」
「少しいらいらしたな、ビニールは」
 それは、でした。
「見付からなくて」
「いつもはすぐに見付かるのにね」
「こうしたこともあるんだな」
「そうね、けれど何はともあれね」
「ああ、もう心配ごともない」
 それで、というのです。
「行こうか、丘の上に」
「あそこでお弁当を食べましょう」
「そうしような」
 夫婦で楽しくお話をしてでした。
 チミーさんと奥さんは一緒に丘の上を目指しました、そして遂にその丘の上まで着いてです。その見晴らしのいい場所に拾ったあのビニールを敷いてです。
 二匹でお弁当を食べはじめました、奥さんは景色を楽しみつつお弁当を食べながらそのうえでご主人に言いました。
「ただのお弁当だけれど」
「いつもお昼に食べているな」
 チミーさんも景色を楽しみながらお弁当を食べています、奥さんと同じものごとを楽しみながら応えるのでした。
「そうした普通のお弁当だけれどな」
「こうして食べているとね」
「違うな」
「ええ、美味しいわ」
 とても、というのです。
「普段以上に」
「全くだ、これでエールがあればな」
「言うことなしっていうのね」
「エールも持って来ればよかったか」
「それはお家に帰ってからよ」
 奥さんはご主人にジュースが入ったコップを差し出しながら言いました。ジュースは水筒の中に入れていたのです。
「晩御飯の時にね」
「その時か」
「そう、だからね」
「今はだな」
「ジュースを楽しみましょう」
 エールではなくこちらをというのです。
「そうしましょう」
「そうだな、たまにはな」
「ジュースもいいものでしょ」
「確かにな、甘いものもいいな」
 そうした飲みものもというのです。
「弁当も美味いし」
「景色も奇麗で」
「この丘もよく来るけれど」
「ピクニックで来るとな」
「また違うわね」
「そうだな、だからな」
 ご主人は笑顔で応えるのでした。
「また来ような」
「一緒にね」
「暫くしてからな」
「ここにピクニックにね」
「夫婦でするピクニックもいいものだ」
 このことがわかったのです。
「だからな」
「ええ、また近いうちにね」
 ピクニックをしようとお話してでした
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