暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-15 紡ぐ未来のその先へ
Story15-10 終わりへの道標
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「やっと……帰ってきたんだな…………お前」

「うん…………!」

桜華の声が空気を震わせる度に、俺は言い様のない達成感に包まれた。



だが、運命の神様ってのはそう簡単には望むものをくれないらしい。

「…………桜華危ねぇ!!」

桜華をベットに伏せさせると、1発の銃弾がドアのガラス窓を貫通して飛んできた。伏せさせなければ、桜華に直撃していた。

「……何をしているのかな? 俺の女に…………!!」

ドアのところに立っていたのは、須郷兄。手には拳銃。

「テメェの女だぁ? 笑わせんな、桜華は桜華自身のものだ」

「食らえ……」

「させるかっ!!」

1発の銃弾は放たれるもかなり反れて窓ガラスを突き破る。

「聖音……くん…………?」

恐怖に怯えた顔に、精一杯の励ましをかける。

「心配すんな……必ず、戻ってくる」

俺はそのまま須郷兄を外に出すとドアを閉めた。

……こんなところで…………終わってたまるか……!!


「うらぁぁぁぁ!!」

壁にぶつけて衝撃を与えると、腰からスティックを一本取り出して顔面にぶつける。先程のダメージがあったので、もう大丈夫だろ…………!!

ダァン!!

「がはっ…………げほっ!!」

あわててハンカチで口を塞ぐ。

「ふはは……そのまま……死んでしまえ…………!!」

ガクッ

須郷兄は気絶したが…………俺の体は、もう限界だった。






◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






第3者side

聖音が須郷兄を外に出したあと、桜華は一人怯えていた。聖音がどうなったのか、気になってしょうがなかった。

――聖音くん……!!

ダアン!!

「…………っ!!」

鳴り響く1発の銃声。不安はいっそう掻き立てられる。

――聖音くん……無事だよね? 絶対に戻ってくるよね?




ウウウン

ドアが開いた。聖音が現れた。

「桜華……ちゃんと戻ってきたぜ…………!

ちょっと腹痛いけどな……!」

「聖音くん…………」

聖音は右手で桜華の頬に触れた。

――あ……桜華に俺の血ついちゃったかな…………まずい……!

「どうしたの……聖音くん……?」

「ごめん……ちょっとドジった…………がはっ!!」

「……!!」

聖音がたまらず膝をつき、床に血を吐いた。桜華は、何が起こっているのか理解できていないようだ。

「ちょっと……手貸してくれるか…………?」

桜華が言われるままに手を出した。聖音は左手で掴もうとした。

しかし……その手はどこにも触れることなく地面に落ちた。聖音の体は床に倒れこんだ。
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