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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-15 紡ぐ未来のその先へ
Story15-9 ようやく会えた二人
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にジェルベッドがある。

動けない……あと一歩が出ない。

『ほら……待ってるよ』

そっと肩を押す感触。誰のものなのか分からないが、俺はさらに足を進めて、カーテンを開ける。

「ああ……」

純白のドレスにも似通った診察衣を纏った少女が上体を起こしてこちらを見ている。両手の中に……ナーヴギアがあった。

「アスナ…………」

俺は音にならない声で呼び掛けた。少女は花の香りに満ちた空気を揺らしてこちらに振り向いた。夢から覚めたばかりの瞳はまっすぐにこちらを見ている。

「キリト君……」

初めて聴くその声は……あのときよりもすごく素晴らしい。何倍も……何十倍も…………

アスナの手が俺に向けて差し伸べられた。それだけで力を使うのか、わずかに震えていた。俺はそっと……その手を取った。不意に脚の力が抜け、ベッドの端に体を預けた。

「最後の……最後の戦いが、さっき……終わったんだ…………終わったんだよ…………!」

言い終わると同時に涙が溢れ出す。雫が頬を伝う。

「ごめんね……まだちゃんと音が聞こえないの。でも……解るよ、キリト君の言葉。

終わったんだね……ようやく……ようやく君に会えた」

アスナの頬にも涙が伝い、零れ落ちた。その瞳で俺を見つめ、言葉を紡ぎ出そうとする。

「はじめまして、結城明日奈です。ただいま……キリト君」

「桐ヶ谷和人です。お帰り……アスナ」

どちらともなく顔が近づき、唇が触れ合った。軽く……もう一度……強く。

仮想世界で出会った本物の心は、時を越えて、今ここで再び巡り合った。

背に二本の剣を背負った、黒コートの少年。
腰に銀の細剣を吊った、白地に赤の騎士装の少女。

二人の心が結ばれたのを見届けると……手を繋いで、遠ざかっていった。















Story15-9 END
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