こうして鷹巣隆也の間違った青春が幕を開ける
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でないですよ」
平塚先生の依頼に比企谷は嫌そうな顔で文句を言った。てか教師相手に交換条件要求するのってどうよ?
それに対して平塚先生は重い溜め息を吐いた。
「部活なんだからメリットを求めるな。とにかくやってもらうぞ」
平塚先生の無理矢理な命令に比企谷は心底嫌そうな顔をする。しかし、すぐにキラキラした顔に早変わりした。
「冗談ですよ。喜んでさせて頂きます。今の小町的にポイント高い」
比企谷さんはなんかポイントを稼いでいた。何に使うんですかね?
俺の疑問をよそに話は進んでいく。
「とにかく頼んだよ、比企谷妹。それに舞浜も」
平塚先生に呼ばれた舞浜というらしい少女は先程まで我関せずと読書に勤しんでいたが名前を呼ばれたからか本をパタリと閉じて先生を見た。
「私もですか」
何処か自信無さげな言葉に先生は安心させるように優しい声で言った。
「君はまだこの部活に入ったばかりだ。この仕事でどういったものか体験しておくといい、それでは後はよろしく頼むよ」
先生はそう言って教室を後にしようとした。しかし、言い残した事でもあるのか扉の前で顔だけをこちらに向けた。
「そうそう、鷹巣はこの部活に入部することになった。だからこの依頼は気長にやってくれ。それじゃあな」
そう言い残し先生は軽く手を振って扉を閉めた。言い残してから扉を閉めるまでの動作があまりにも滑らかかつ一瞬だったので誰も何も言葉を発せずに謎の静けさを生んでいた。
え、どうすんのこれ?いや、さっきのやり取り普通に聞いてたけど何なの?奉仕部って結局何よ?てか俺歓迎されてないじゃん!歓迎度0だよ!?だってあれだもん、比企谷はスマホ弄ってるし舞浜と呼ばれた子はまた読書再開しちゃってるもん。どうすんのよこれ……。
「あのー……」
とにかくこのままでは居心地が最悪だ。せめて何か状況が変われと思い意味もないような言葉を発した。 しかしそんな言葉でも反応してくれる人はいたようだ。彼女はスマホから俺へと視線を移した。
「あぁ。まぁ座りなよ隆也君」
そう言って手頃な席を指した比企谷の指示に従い、いそいそとイスに腰掛けた。
俺は取り合えずほっと一息吐く。ともあれ情報を整理しよう。俺は平塚先生に連れられて奉仕部なる部活に入部することになった。そこは比企谷小町、何かと話に出てくる平塚先生が『比企谷』と呼ぶ人物の妹と、舞浜と呼ばれている二人の女性がいる部活だ。もしかしたら他にも部員はいるかもしれないがその辺りも聞いてみるといいかもしれないな。
「あの、質問してもいいすか?」
俺の質問に比企谷は人当たりのいい顔で答えた。
「ため口でいいよ、それと、質問もオーケ
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