こうして鷹巣隆也の間違った青春が幕を開ける
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ないか。まぁあまり目立つような事はしてないからなぁ」
俺が先生をジト目で睨むと居心地が悪いの
か咳払いをした。
「詳しい話は歩きながらしよう。ついてきたまえ」
そう言って先生が俺の前を歩き始めた。ここから逃げ出すという選択肢も無くはないがそうした場合俺がどんな目に遭う分かったもんじゃない。この人の言うことを逆らった場合どうなるか流石に一年間も同じ
学校にいれば分かってしまう。
そんな事を考えていると平塚先生の声が聞こえてきて意識が現実へと引き戻される。
「奉仕部というのはな、人を奉仕する部活だよ」
なるほど、分からん。そりゃ奉仕部って言うくらいだから奉仕する部活だろ。いや、まて。ここで思考停止で文句を言うにはまだ早い。ここは一つ、発想を変えて奉仕とは何かという所から考えていこう。
そもそも奉仕なんて単語は一高校生が日常的に使うような単語であるはずがなく、年に一回使えばいい方である。我々お金のない凡人が受けることの出来る奉仕なんてメイド喫茶のメイドさんくらいのものである。まさか別名メイド部なんて物では無いだろうし一体全体なんなんだか。
「着いたぞ」
俺が連れてこられたのはこの学校の特別棟にある一室だ。本来その教室の用途を示すプレートには何も書かれておらず代わりに頭の悪そうなシールがいくつも貼られている。その事が余計にその教室の不気味さを醸し出していた。
俺は訝しげに教室を眺めていると平塚先生がノック一つせずに扉を開け放った。
「邪魔するぞ!」
室内は何の変鉄もない教室だ。教室の真ん中辺りには一つと長机が置かれておりその机に向かって幾つかのイスが置かれている。
そのイスには二人の女性が座っていた。
一人は窓側に位置する場所に腰かけている。右手で頬杖を突き余った手でスマホを弄っている少女は黒髪のショートヘアーで人懐っこそうな顔をしている女性、俺も知っている人物、》比企谷小町《ひきがやこまち》だ。対してもう一人の女性は俺の記憶に無い人物だった。比企谷の向かいに座る彼女は茶髪の背中辺りまで届くストレートヘアーをしており顔立ちは整っている。今は何かしかの文庫本を読んでいるようだ。
二人は平塚先生の登場で一斉に入り口に視線を向けた。平塚先生はその内の一人、比企谷に目を向け声をかけた。
「比企谷妹、依頼だ。こいつを更正してやって欲しい」
依頼を聞いた比企谷は面倒臭そうなジト目で先生を睨んだ。
「何で小町がやらなきゃいけないんですか?」
「彼は鷹巣隆也、根性が根っこから腐っている比企谷みたいな奴だ。君はそういう奴の扱いに慣れているだろう?」
「まぁ、小町はあのお兄ちゃんの妹だからぁ、更正させるくらい簡単ですよ?でも小町にも何かメリットがないとやる気
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