暁 〜小説投稿サイト〜
結局のところ俺の青春ラブコメはまちがっている
こうして鷹巣隆也の間違った青春が幕を開ける
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出しているので特別ストレスも堪らない。これこそ俺の求めた青春なのだろうと思っているしそれに文句も無い。だからこそ、俺が犯した失態は許されざる物だったのだと言えるのだが。
 そんな事を思いながら俺は重く、大きな溜め息を吐いた。
 平塚静という教師に呼び出された俺は放課後一人職員室へと向かって歩いていた。
 普段歩いている廊下。こんな何気ない所でも最近はちょっとした変化が生まれた。
 前方から見知らぬ二人の女子生徒が駆け足で俺の隣を通りすぎていく。俺が知らないのは記憶力が弱すぎるとかそう言うわけでは勿論無く、この学校にも新入生という奴が入ってきたのだ。窓から見える校庭の桜も加わって春真っ盛りであることを実感させられる。
 春というのは出会いの季節でもあると同時に別れの季節でもあるという。さしあたって俺は今日、友人との別れを経験したのだ。
 だからといっていくら過去を後悔しても何も始まらない。俺は過去を振り返るのを止めて前だけを向くことにした。
 そう思った矢先には職員室の目の前まで来ていた。さて、これから起こるのは説教か反省文か。
 俺を呼び出した教師に会いに行くべく扉を作法に乗っ取り3回ノックした。そして扉を開けて室内に入る。見渡すと室内は皆が何かしらの仕事をしていて、入り辛い雰囲気だ。その空気が普段から職員室に来ない俺にとっては少々息苦しく感じる。だからと言って一度入ってしまったものを何もせずに退室するのも馬鹿馬鹿しい。俺は意を決して目的の教師の元へと向かった。
 腰下まで伸びる長い黒髪のストレートヘアーの持ち主である、俺を呼び出した教師の元まで行くと何故かカップラーメンを食べていた。普段着ている白衣は今はイスに掛けられており、体のラインが強調された黒のスーツを着ているのが見てとれる。推測するに白衣にラーメンのスープでも溢したく無かったのだろう。でもスーツに溢した方が不味いって僕は思うな!
 俺の存在に気づいた先生、平塚静(ひらつかしずか)は箸を止めてカップ麺と箸をデスクの上に置いてイス事こちらを向いた。

「やぁ、鷹巣。何故君を呼んだのか分かっているね?」

 平塚先生の諭すような声音に俺は無言で頷いた。ここで分からないという答えはNGだ。「そんな事すらも分からないのか」とまた面倒な説教が一つ増えてしまう。ここは早く帰るためにも分かっていると言っておくのがベターだ。例え納得が行かなくても理解してなくてもそう答えるのが案牌なのだ。
 俺の答えに先生はやれやれと溜め息を吐いた。

「理解はしてても納得はしてないという顔をしているな」

「納得なんて物は当の昔に捨て去りました。世の中理不尽ですから」

 そう、世の中は理不尽なのだ。どれくらい理不尽かというと言われた通りにやった筈なのに何故か先輩に怒られちゃうバイトくら
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