暁 〜小説投稿サイト〜
『八神はやて』は舞い降りた
第4章 戦争と平和
第37話 攻めの白龍皇と受けの赤龍帝
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
がその正体です」

「私を含めたグレモリー眷属全体のパワーアップも、はやてのお蔭よ」


 興味深さそうにしている面々に、知っている限りのことを話していく。
 ミカエルやアザゼルはいちいち驚いて口を挟んできたが、サーゼクスは既に知っているため静観していた。


「おいおい、これはとんだ鬼札だな。八神はやて、か。まったくノーマークだったぜ。八神の父親も凄腕のエクソシストだったんだぜ? 血は争えないってぇことか。なあ、ミカエル?」


 アザゼルは苦虫をかみつぶしたような顔をしていた。はやての父を知っているような口ぶりだ。
 そして、ミカエルの方もみるとひどく動揺しているようだった。
 八神……まさか、そんな。とつぶやいているのが聞こえる。
 どうやら、二人とも八神はやてと何らかの縁があるらしい。
 口のうまいセラフォルーが、問い詰めたがうまくはぐらかされてしまった。
 何かある。とんでもない何かが。そう思えて仕方なかった。


「本題に戻ろう。アザゼル、君は神器(セイクリッドギア)持ちに執着しているようだが、戦争に備えて戦力を増やしているのではないのかい? てっきり攻めてくるかと思っていたんだが」

「いつまで経ってもあなたは天界に攻めてきませんでした。白龍皇を手に入れたと聞いたときは、すぐさま臨戦態勢をとったものです」

「そいつは神器研究のためさ。戦争するよりもずっと楽しいぜ? なんなら研究成果をやったっていい。共同研究なんかもいいな。俺は戦争を起こす気はないって、昔から言っているはずだぜ? ったく。俺はそんなに信用されてねえのかよ」

「その通りだ」

「その通りです」

「その通りね☆」


 サーゼクスとミカエル、セラフォルーの三人にバッサリ切られて落ち込んだ様子をみせるアザゼル。
 しかし、すぐさま気を取り直すと、真剣な顔をして言い放った。


「ならよ、和平を結ぼうじゃないか。お前らの目的も同じだろ?」


 静寂が訪れた。戦争を望まないのなら、何か手を打つ必要がある。
 その最大の打ち手こそ、和平協定。
 やがて、口を開いたサーゼクスとミカエルは、アザゼルに同意した。
 このまま消耗戦を続ければ、三大勢力に未来はないのだ。
 組織のトップだからこそ、重々に承知している。
 そこに降ってわいたようにやってきた機会こそ、コカビエル事件の会談だった。


「――神がいなくとも世界は回るのさ」


 そういってアザゼルは言葉を締めた。世界をつくったとされる『聖書の神』の死は、結局人間たちにさしたる影響を与えることはなかったのだ。
 その後、こまごまとした条約の内容を煮詰めていく。
 アザゼルもおちょくることなく、真剣に言葉を交わしていた。
 や
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ