第4章 戦争と平和
第37話 攻めの白龍皇と受けの赤龍帝
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がその正体です」
「私を含めたグレモリー眷属全体のパワーアップも、はやてのお蔭よ」
興味深さそうにしている面々に、知っている限りのことを話していく。
ミカエルやアザゼルはいちいち驚いて口を挟んできたが、サーゼクスは既に知っているため静観していた。
「おいおい、これはとんだ鬼札だな。八神はやて、か。まったくノーマークだったぜ。八神の父親も凄腕のエクソシストだったんだぜ? 血は争えないってぇことか。なあ、ミカエル?」
アザゼルは苦虫をかみつぶしたような顔をしていた。はやての父を知っているような口ぶりだ。
そして、ミカエルの方もみるとひどく動揺しているようだった。
八神……まさか、そんな。とつぶやいているのが聞こえる。
どうやら、二人とも八神はやてと何らかの縁があるらしい。
口のうまいセラフォルーが、問い詰めたがうまくはぐらかされてしまった。
何かある。とんでもない何かが。そう思えて仕方なかった。
「本題に戻ろう。アザゼル、君は神器持ちに執着しているようだが、戦争に備えて戦力を増やしているのではないのかい? てっきり攻めてくるかと思っていたんだが」
「いつまで経ってもあなたは天界に攻めてきませんでした。白龍皇を手に入れたと聞いたときは、すぐさま臨戦態勢をとったものです」
「そいつは神器研究のためさ。戦争するよりもずっと楽しいぜ? なんなら研究成果をやったっていい。共同研究なんかもいいな。俺は戦争を起こす気はないって、昔から言っているはずだぜ? ったく。俺はそんなに信用されてねえのかよ」
「その通りだ」
「その通りです」
「その通りね☆」
サーゼクスとミカエル、セラフォルーの三人にバッサリ切られて落ち込んだ様子をみせるアザゼル。
しかし、すぐさま気を取り直すと、真剣な顔をして言い放った。
「ならよ、和平を結ぼうじゃないか。お前らの目的も同じだろ?」
静寂が訪れた。戦争を望まないのなら、何か手を打つ必要がある。
その最大の打ち手こそ、和平協定。
やがて、口を開いたサーゼクスとミカエルは、アザゼルに同意した。
このまま消耗戦を続ければ、三大勢力に未来はないのだ。
組織のトップだからこそ、重々に承知している。
そこに降ってわいたようにやってきた機会こそ、コカビエル事件の会談だった。
「――神がいなくとも世界は回るのさ」
そういってアザゼルは言葉を締めた。世界をつくったとされる『聖書の神』の死は、結局人間たちにさしたる影響を与えることはなかったのだ。
その後、こまごまとした条約の内容を煮詰めていく。
アザゼルもおちょくることなく、真剣に言葉を交わしていた。
や
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