夢と現実の境界線
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佐藤……アイツ等、本当にシたの?」
思わず受付で性行為があったのかを確認します。
「それがさぁ……シないんだよ」
と残念そうに報告される。
「あの男……一人で4時間以上歌っててさ、しかも上手いんだよ! 飲み物を届けた時とかに聞いちゃったんだけど、凄い歌唱力なんだよ!」
交尾シーンを見る事が出来ず、ガッカリしながらも些か興奮気味に男の歌唱力を評価する佐藤。
「あ、そ……」
ヤってないんなら興味ない私は冷めた返事で佐藤の言葉を流し、明日支払いに来るからと念を押して帰路につく。
正直言えばビールでも飲んで帰りたいのだけど、金のない私は素直に自宅へ直行。
家の冷蔵庫にも冷えたビールがあるだろうから、今日はそれで我慢だわ。
昨日からのゴタゴタも歌ってストレス発散したので、あとは家でDVD観賞しよう。
そう思い(言い聞かせ)ながら駅前商店街通りを歩いてると、昨晩飲みまくった居酒屋からオヤジが顔を出し、「お、グッドタイミング。麻里ちゃん、昨日財布を忘れてったよ」と声をかけてきた。
「マジでか!?」
家にじゃなくて居酒屋に財布を忘れてきたのね!?
いやぁ〜助かったわぁ。何が助かったって、今日もビール飲んで帰れるって事よ!
そうとなれば即行動。
オヤジに礼を言い、生ビール大ジョッキを注文。
イッキにそれを飲み干し宴の開始だ。
そして3時間……
とっても良い気分で自宅に歩を進める。
今度は財布を忘れず持ち帰りましたよ。
でも店内で脱いだ上着を忘れて、今上半身ブラのみ(笑)
途中何人か驚いた目で見てきたけど、そんなの気にしたら負けだと思うので、気にせず自宅へ千鳥足で帰ります。
帰宅後そっこーでビールを取り出し一気飲み。
気分が良いので当初の計画通りアニメを観賞しようと、DVDが積んである壁際に近付く。
すると“バギッ!”という音と共に私はバランスを崩す。
また何かを踏んだらしく、何とか転ばない様に体勢を整えようと試みる。
しかしアルコールで足下の覚束ない私は、盛大に転ぶ事となりました。
だがこれ以上CDとかを壊したくない私は、何とか何も無い場所に身体を落とそうと……
でもそれすら失敗。
私が転んだ場所は大量の荷物……に隠された堅いテーブルの上。
“ゴスッ”という鈍い音が聞こえ、私の意識を刈り取った。
気が付くと暗闇で眠ってた私……
だがとても居心地が良く、二度寝を試みる。
しかし人生というのは無常で、そんな幸せな二度寝を許してはくれない。
凄い力によってこの居心地の良い暗闇から引きずり出され、眩い光を放つ外の世界へ……
思わず大声で叫んでしまいましたよ「おぎゃー!!」って!
そう「おぎゃー」なんで
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