夢と現実の境界線
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えぇ……成人式を遙か昔に終えた私には犯罪になる年齢がタイプさ!
そんな子を合コンの席に呼べるはずもなく、自宅で酒飲んでアニメグッズに囲まれてる私に、予定などあるはずないさ!
でも何で他人の性行為の為に、私が残業をしなきゃならないんだ!?
今夜予定が入ってるのなら、日中に死ぬ気で仕事を終わらせりゃ良かったんだよ。
『え〜これ分かりませんー? 如何やるんですかぁ?』と、若い男性社員に色目を使ってるから終わらないんだよ!
そんな憤慨を沢山抱えていたが、サディスティックに人生経験を積んできたお局に敵うハズもなく、渋々他人の仕事で残業する事になりました。
只でさえ楽しくない仕事を、より楽しくない状況で終わらせます。そして気付けば21時……しかも外は大雨!
怒りの収まらない私は“大神麻里”と書かれた自分のタイムカードをレコーダーに叩き付ける様に通し、プンスカプンの状態で会社を出る。
まだ怒りの収まらない私は、守衛に怒鳴り付ける様に『お疲れっした!』と挨拶をし、プンスカプンプン状態で電車に乗る。
まだまだ怒りの収まらない私は、自宅の最寄り駅近くの居酒屋に入り、ドスの効いた声で『生、大ジョッキで!』と告げ、プンスカプンスカ一気飲みをする。
一向に怒りの収まらない私は、『麻里ちゃん何かあったの?』と聞いてくる居酒屋のオヤジに『うるせー黙ってお代わり持って来いやー!』とプンプンスカスカドカンな態度で接した。
私は酒が強いので、酔って記憶を無くす事はない。
だが脱ぎ上戸であるらしく、ある一定まで酔うと始末が悪いと周囲からは言われる。
しかし安心したまえ……私はまだ処女だ。
脱いでも襲われた事はない……
まぁ美人じゃないから……ね……
化粧っ気も少ないし……ね……
ってなワケで、怒りの記憶をプレイバック。
マッパで散らかった部屋の散らかった荷物の中に埋もれる私。
気を取り直して手にした缶ビールを一気に空ける。
「ぷはぁ〜……よし、これで真っ直ぐ歩けるだろう!」
向かい酒で意識のハッキリしてきた私は、壁に掛けられたデジタル時計に目を移す。
そこには14時30分と時刻を表す物体が。
「げっ、もう昼過ぎてんの?」
まぁ別に予定がある訳じゃないから、今が何時でも問題ないんだけど……
そう思い周囲を見渡すと、大量の荷物で埋もれたテーブル(があると思われる場所)には、通勤用に使ってる鞄と返却予定が本日のアニメDVDが!!
やっべぇ〜……本当は昨日の帰りに返そうと思って鞄に入れて会社に持ってったのに、怒りに忘れて飲んで帰ってきちゃった。
延滞料金は払いたくないし、どうせ予定は何も無いから返しに行こう。
それに今から行けば
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