夢と現実の境界線
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酷い頭痛で目が覚める。
碌な事の無い人生の新たなる朝をまた迎える。
昨晩の自棄酒は度を超しており、私の体内はカオス状態だ。
「うぇ……きもちわる……これは迎え酒の出番のようね」
そう独り言を呟いて起き上がり、散らかりきった部屋を出て、やはり散らかりきった台所へと向かった。そこに行けば冷えたビールがあるからだ……冷蔵庫に。
冷えたビールを手に布団まで戻ろうとするが、足がもつれて真っ直ぐ歩けない。
盛大に転びそうになったが、何とか踏ん張って体勢を整えようと試みる……が、
(バギッ!)という音と足の裏に痛みを感じ、結局スッ転んでしまった。
「いたたたた……何を踏んだ!?」
散らかった部屋で転び積み上げてた本やらCDやらに雪崩を起こさせても景色に代わり映えはなく、何を踏んだのかさえ不明のままだ。
「くそぅ……昨晩の深酒の所為で……」
そう独り言を呟いて昨日の出来事に怒りを蘇らせる。
そう……華の金曜日だという昨日の出来事を。
時計の針は16時50分を指し、もう少しでこの面白味のない仕事から解放されそうになった時……
お局のババアが『大神さん。ちょっと残業をお願いします』と声をかけてきやがった。
顔を顰めババアに視線を向けると、
“どうせ今夜も予定はないのでしょう?”と言いたそうな面で私を見下ろすババア。
その後方3メートルにはニヤニヤこちらを伺う後輩OL4人の姿が……
どうやら奴等が終わらせられなかった仕事を私に押し付けてきたらしい。
『これ……あの娘達の仕事でしょう。あの娘達に残業させるのが筋なんじゃないですか?』
『仕様がないでしょ、彼女達はこの後予定が入ってるのよ。貴女は普段から残業せず直ぐに帰ってしまうのだから、偶には残業代を稼ぎなさい』
余計なお世話だ馬鹿女共!
私は就業時間内に自分の仕事を終わらせてるんだから、他人に残業の事を言われる筋合いはない。……尤も、他人の仕事を一切手伝わず、ひたすら自分の仕事だけを終わらせただけだけどね。
『ごめんなさぁい大神先輩〜』
『私達ぃ……如何しても外せない予定がありましでぇ〜』
『先輩なら休み前の金曜日だって予定はないでしょう……ですからお願いしますぅ』
余計なお世話だアバズレ共め!
何が“外せない予定”だ!? 昼休みの会話を私は聞いてたんだぞ……
『今夜、彼氏とデートなのぉ?』とか『私達は合コン!! ちょ〜気合い入ってまぁ〜す』とか……
勿論私には彼氏なんぞ居ないし、合コンの予定もない!
仮に合コンに誘われたって、私の好みのタイプが居るはずないのだから、行く訳がないのだ!
万が一にも私のタイプが居たら……全員逮捕されるわ!
私のタイプは11〜12歳の美少年…
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