鎧武外伝 バロン編
二人の女
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た。
湊は彼女が拾った花々を咲に差し出した。
「あ、ありが、と」
「どういたしまして」
それだけを答え、湊は墓地を出て、去った。咲はしばらく湊の背から目を逸らせなかった。
「不器用はどっちよ――」
咲は白ユリの束を抱いて、戒斗が立っていた墓前へ行った。
「駆紋家」とだけ刻まれた墓石が一つ。これが戒斗の両親のサイハテ。
「あ」
投げられた白ユリが一輪だけ、墓石の前に落ちる形で供えられていた。
それを見た咲は、湊が戒斗を「不器用」と評した訳をようやく理解した。
集めた白ユリを、墓石の横の花立てに射し、合掌して目を閉じた。
(いろいろお話してあげたいけど、あたしなんかより、息子さんの声のが聞きたいよね)
立ち上がり、墓地を出た。
咲は歩き出した。奇しくも戒斗が去ったのとは反対の道を。
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