鎧武外伝 バロン編
束ねる強さ A
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の植物の蔓が生え、バロンに巻きつこうとしたのだ。
『だめ!』
月花はバロンの前まで走って行って、リンゴの錠前から生える蔓を引っこ抜いた。蔓が次から次に生えても、手を止めずに引き千切り続けた。
(させない。戒斗くんをインベスになんて……初瀬くんみたいになんて絶対させないんだから!)
すると、バロンが月花の手を掴んで止めた。
『俺は、っ、どんな痛みにも耐えてきた……』
バロンが立ち上がる。蔓が、勢いを失っていく。
『この程度、どうということはない!』
やがて蔓は完全にバロンから飛び散り、バロンは元の姿を取り戻した。
『戒斗くん……っ』
『決めるぞ。室井』
『うんっ』
月花はカッティングブレードを拳で叩き落とした。
《 ドラゴンフルーツスカッシュ 》《 ジンバーピーチスカッシュ 》
上空に、タイラントインベスへ向けて弧を描くように、ソニックアローを放つ。その軌道に、赤と桃色のポインターが並んだ。
バロンが高く跳び、ポインターを次々に潜り抜けていく。
ポインターによって強化されたライダーキックが、タイラントインベスが刃を揮うより早く、直撃した。
バロンが着地すると同時に、タイラントインベスは爆散した。
バロンはリンゴの錠前を閉じ、バックルから外して変身を解いた。
月花もまた変身を解き、咲として戒斗に駆け寄った。
戒斗の手の中。リンゴのロックシードは粉々に砕けていた。
砕けたリンゴのロックシードを見ながら、戒斗は確信していた。
(これが俺の求める力――)
ぱたぱた。軽い足取りで咲が駆け寄ってきた。
「戒斗くんっ。体だいじょうぶ? どこも痛くない?」
「何ともない」
「よかったぁ」
咲は本気で安心している。葛葉紘汰と和解したとは聞いたが、まさかそれで自分に対しても同じ感情を持っているなら、――望む所ではない。利害の一致もない共闘など、駆紋戒斗にはぬるすぎる。
「こんなことは今回限りだからな」
戒斗が両ポケットに手を突っ込んで歩き出した時だった。
「戒斗くん! 帰り、どうするの? ここまでバイクだったんでしょ。歩いて帰れるの?」
――これには戒斗も足を止めざるをえなかった。
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