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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
ALO編 Running through to take her back in Alfheim
Chapter-15 紡ぐ未来のその先へ
Story15-8 迎えに
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「僕らを無視して何2人でごちゃごちゃしてるのさ。
その余裕綽々な態度……ムカつくなぁ……
それに来るのが遅いよ。僕が風邪引いちゃったらどうするんだよ」
「さて……俺たちは君たちを裁かせてもらおう。代償は命。それ以外にはあり得ない」
「お前らの事情なんか知ったことか」
俺が心底うっとおしそうにそう答えると、須郷兄弟は顔を引きつらせて、一歩進み出た。
ナトリウム灯が放つ光が、顔を照らし出す。
兄の方は、数日前に相対した時は丁寧に撫で付けられていた髪も今では激しく乱れている。
尖った顎には無精髭が浮き、ネクタイなど殆ど解けて首にぶら下がっているにすぎない。
そして、弟の方のメンタルフレームの眼鏡の下から俺たちに注がれる、異様な視線。その理由は直ぐに解った。
細い眼は極限まで見開かれ、闇夜の中で散大したのか左の瞳孔が細かく震えている。
しかし、右眼は小さく収縮したままで、何かによる後遺症が残っているようだった。
「酷いことするよねぇ、キリト君。まだ痛覚が消えないよ。
まあ、いい薬が色々あるから、構わないけどさ」
「シャオン君……お前には償ってもらうぞ」
弟が右手をスーツのポケットに突っ込み、カプセルを幾つか掴み出して口に放り込みながらそう呟く。
こりこりと音をさせて咀嚼しながら、須郷弟は更に一歩踏み出した。
「僕たちはアメリカに行くよ。
欲しいっていう企業は山ほどあるからね。
僕たちには今までの実験で蓄積した膨大なデータのバックアップがあるし、あれを使って研究を完成させれば、僕は本物の王に、神に、この現実世界の神になれる。
その前に、幾つか片付けることはあるけどね。
とりあえず、君たちは殺すよ。
お前たちみたいなゲームしか能の無い奴らは、本当の力は何も持っちゃいないんだよ。全てにおいて劣ったクズなんだよ。
なのに僕の、この僕の足を引っ張りやがって…………その罪に対する罰は当然死だ。死以外有り得ない」
表情を変えず、ボソボソと喋り終えると、須郷兄もすたすたと歩み寄ってきた。
「和人、行け。こいつらの相手は俺がやる」
「し、しかし…………!」
「安心しろ。何とかして倒したらお前に追い付く。大したことはない。お前は早く、行け!!」
「くくく……お前の計算は狂うな。俺たちはナイフ持ってるんだぜぇ」
須郷兄は不敵な笑みを浮かべながらナイフを取り出した。
「じゃあ……相手になってやる。和人早く行け」
和人もしぶしぶだが、頷いて病院のエントランスへ走った。
「さあ、こい!」
須郷兄弟が一斉に飛びかかってくる。俺は腰の伸縮可能スティックを2本取り出してナイフを弾く。
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