暁 〜小説投稿サイト〜
東方魔法録〜Witches fell in love with him.
58.勘違〜She wonted to make?a?mistake.
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「はふはふ。うん、おいしい」
「そ、そう?良かったわ」
「悪いね。なんかご馳走になって」
「別にいいわよ。こんな吹雪じゃ帰れないでしょ?」
季節は移ろい、夏から秋を飛ばして冬…が終わり春が来ようとする時季。この頃は、早い桜は既に咲いているような頃合いだ。
なのに、外では視界が確保できない程に激しく吹雪いていた。
たまたまアリスの家に遊びに来ていた明希は、そのせいで外に出られずアリスの家で厄介になっていた。
夜になっても吹雪は止む気配を見せなかった。なので現在は晩御飯に鍋を二人で突いている。
なぜ鍋なのかと言うと、単に寒かったから暖まろうとしただけだ。
「もっと食べなよ」
アリスの皿に盛られた鍋の具材は少なかった。家主を差し置いて自分だけがバクバクと食べる訳にもいかないが、それ以前にアリスの少食さを明希は心配していた。
アリスは、鍋から注いだ豆腐をちびちびと食べていた。
「私はいいのよ。それよりも明希こそいいの?その…血を飲まなくて」
アリスは顔を赤らめながら言った。とても些細な勘違いだが、明希はこれを鍋を食べたから暑くなり顔も赤く成ったのだと勘違いした。
「んー…。今はいいよ。食事中だし」
「クス、吸血鬼の食事こそが吸血なのに。変なの」
あの甘美な甘露は食事というよりデザートとかに近い。吸血鬼がなにいってんだよって話だけど、そもそも妖怪としての種族:魔法使いは食事は必用無かったりする。
睡眠、栄養と言ったものは魔力で代用出来るからだ。
じゃあ、なんで飯食っているのかと言うことは聞かれても食べたいから食べるとしか言いようがないが。
…ん?でも俺、今は吸血鬼だったよな?
「でも、食事中だから飲まないのであってそうじゃなかったら…飲みたいって…こと?」
アリスは少々上目遣いで聞いた。
これほど吸血の話に固執されれば、気が付かない明希ではない。妖怪は良くも悪くも欲望に忠実なのだ。
「まあ…。飲んでいいなら」
「………うん。いいよ」
それから、アリスはあわてて誤魔化すように人形を動かす準備をした。
「そ、そうだ。お酒を減らすの手伝ってくれない?貰ったのはいいけど、私一人じゃ飲みきれなくて…」
そういって、人形に持ってこさせた一升瓶のラベルには『鬼殺し』と書かれていた。
…これは狙ってやっているのだろうか?
「この間、人里で人形劇をしていたらお酒臭い酔っぱらった幼女が置いていったの」
「酔っぱらいの幼女って…」
アウトだろそれ。お巡りさんは何をしているんだ?
「幼女って言っても見た目はね。お酒で誤魔化すように妖気が漂っていたから人間に擬態した妖怪だと思うの」
酒のつまみのつもりか、ただの退屈しのぎか
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