マブラヴ
ゲート 自衛隊彼の地にて、斯く戦えり
0956話
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離宮から離れる俺とシェリルを見て、高畑もすぐにこれが地震だと理解したのだろう。近くにいたスティングとアウルを抱えてこちらへと移動してくる。
量産型Wがレオンを引き連れてその場から離れ、それを見ていた部下2人が同様にこちらへと移動してきた。
そう言えばフロンティア船団で移動していたんだから、地震を知らなくてもしょうがないのか? 一瞬そんな風に思うが、未だに動こうとしないピニャやメイド、執事達を見つけると反射的に叫ぶ。
「離宮が崩れる可能性がある!」
その言葉でようやく我に返ったのだろう。ピニャ達もこっちの方へと向かって移動する。
「地震を経験した事がないのか!?」
「地震!? 何だそれは!」
俺の問い掛けに、叫び返すピニャ。
余程に不安なのか、その表情には全く余裕がないまま、地震の揺れに怯えきっていた。
地震を知らない? もしかして門世界では地震というのが存在していないのか? あるいは帝国のあるこの地域では今まで地震がなかったのか……
そんな風に思っている間にも、やがて揺れは止まる。
「お、収まった……?」
「確かにな。だが、あれだけの地震だ。恐らく余震が来るぞ」
「余震? 詳しい話は分からないが、まだ揺れると?」
恐る恐るといった様子で尋ねてくるピニャに頷きを返す。
揺れの大きさを考えれば、かなりの確率で余震が発生する筈だ。
「では……っ!? そうだ、父上! 皇帝陛下にお知らせせねば! 着替えを持て、すぐに皇宮へ参るぞ!」
「そうか、なら俺達は暫くこの場で待機してよう。いや、いっそアルヌスの丘まで戻るか?」
そう告げると、何故かピニャが顔を引き攣らせてこちらへと視線を向けてくる。
「アクセル殿、一緒に来てはくれないのか?」
「……いや、普通に無理だろ。お前の父親ってことは、モルトだろ? ホワイトスターに攻め込んだ張本人の下へ向かえと? それこそ地震云々の前に……」
殺してしまうぞ?
最後まで言わせず、1歩前に踏み出したのはレオンだ。
「いいのではないでしょうか? このような夜中にピニャ殿下のようなうら若き女性を放り出すのも何かと人聞きが悪いですし」
「……」
まさか本気で言っている訳ではないだろう。恐らく何か考えがあるんだろうが……
周囲に視線を向けると、ムウと高畑はレオンに賛成、それ以外は俺に任せるといった視線を返してくる。
「分かったよ」
何を考えているのかは分からないが、レオンの行動は間違いなくシャドウミラーの為のものだ。何しろ、鵬法璽で縛られているのだから。
こうして、俺達はピニャに導かれるままに城へと向かう。
この時は、取りあえずレオンに任せておけばどうとでもなるだろうという判断をしたのだ。事
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