空白期 中学編 21 「少しずつ……」
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を素直に伝えるに決まっている。
もしもそれでショウがOKをしてしまったら……そんなのは嫌だ。もちろん、これは自分の勝手な想像だと分かってる、でも嫌だ。やっぱり自分以外の誰かが彼の隣にいるのは嫌だと思う。
私は恋に恋なんかしてない。ショウのことが本気で好きなんだ。
私は執務官、なのはは教導官、はやては捜査官としての道を考えている。ショウは技術者としての道を進もうとしている。アリサやすずかは地球でしばらくは学生としての日々を過ごしていくだろう。時間が経てば経つほど、私達はバラバラになっていく。そうなれば会う機会も減ってしまう。
中学に上がったと思ったらもう秋を迎えている。楽しい時間なだけにあっという間に過ぎてしまった。きっと残った学校生活もすぐに過ぎてしまうのだろう。
だったら私のすべきことはひとつだ。
自分の性格からして急に変わることはできない。でも1日1日を意識して過ごしていれば、少しずつでも変わっていくかもしれない。
今のまま何もせず望まない未来を迎えるなんて嫌だ。どうせ迎えるなら精一杯努力して、報われなかったとしても泣いた後は祝福できる人間になりたい。そのためにも今は、このテストで怪我をしないようにしよう。心配を掛けるのは嫌だし、気の緩みが事故に繋がる恐れもあるのだから。
「俺の精神的に問題があるからダメだ。というか、そろそろ始めるぞ」
「オッケー! ショウ、ボクのカッコいいところちゃんと見ててね!」
「見るのはお前じゃなくてバルニフィカスのほうだから。……フェイト大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ。私は普通にレヴィの相手をすればいいのかな?」
「ああ、そうしてくれればいい……ただ頑丈には作ってるけど、結界とか張ってあるわけじゃないから本気でやりすぎないでくれ」
「あはは、それは分かってるよ」
「頼むな」
信頼してくれているのだと分かる笑みを浮かべてショウは訓練室から出て行った。
あのような顔をされては訓練室を破壊してしまうような事態は起こしてはならない。彼ならば苦笑いしながら「まあ仕方がない」とか言いそうでもあるけど、好感度を下げるような真似はしたくない。
「よーし、じゃあへいと始めようか!」
「準備するのはいいけど戦闘は合図があってからね。それとね、少しずつでいいからフェイトに直してくれると嬉しいな」
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