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魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
空白期 中学編 21 「少しずつ……」
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も彼女は私にできないことを平気でやってのける。
 異性意識がないからできることなのかもしれない。でも自分によく似た人間が好きな人に抱きついていたら……内心複雑にもなる。もしも私にレヴィの半分……ううん、10分の1でも積極性があったなら、今は違ったのかな。
 私は少し離れた位置からふたりを見ているんじゃなくて、ショウとレヴィの間に入っていて、レヴィの邪魔をしている。そのときにショウは私の恋人だからのような言葉を口にする。
 そんな今があったのだろうか。もしそうならどれだけ幸せなんだろう。嫉妬したならきっとすぐに口に出せる。口に出す権利がある。
 でも現実は……今だ。
 私は嫉妬しても心の内に留めている。嫉妬しても負けじと何かすることもできない。それをしてしまうと、今の関係が崩れてしまいそうで怖いから。
 ショウのことは好きだ。でも……なのはやはやて、他のみんなのことも好きなんだ。嫉妬してしまうことはあっても、今の関係はとても楽しくてかけがえのないもの。それを壊したくない。
 誰にも渡したくないと思っているけど、変える勇気……壊す覚悟がないから私はいつまでも今の私なのだろう。
 もしかすると、アルフの指摘から変に意識してしまい、それを恋だと錯覚。ずっと恋に恋している状態で過ごしてきただけなのかもしれない。本当に好きなのなら一歩を踏み出していそうなだけに……この可能性はゼロではない。

「あぁもう、離れろ。ったく、何度言ったらお前は理解するんだ。そういうのはやめろって前から言ってるだろ」
「えー別にいいじゃん。ボクとショウの仲なんだし。それに好きな人はやっていいんでしょ。ボクはショウのこと好きだから問題ないはずだよね」

 ……レヴィは本当に素直だ。
 たとえLikeとしての好きだったとしても、恥ずかしがることなく簡単に口にする。異性意識を持っていないからショウもこれといって気にしてはいないけど、でもこのままじゃ……。
 確かにレヴィは会った頃から変わらないように見える。でも……ほんの少しずつだけど、女の子らしくなってきてると思う。
 私とレヴィは似た容姿をしている。それだけに髪型などで区別がつけられるようにしようと話をしたことがあった。そのときに彼女は

『ねぇへいと、ショウってどんな髪型が好きなのかな?』

 と言ってきたのだ。そのときは何とも思わなかったが、今考えてみればあのときのレヴィの顔は恋をする女の子の顔ではなかっただろうか。本人が自覚していないだけで私と同じような気持ちを彼女は持っているのではないのだろうか。
 だとすれば……レヴィの周りにはシュテルやディアーチェといったしっかりした子達がいる。何かきっかけがあれば、ショウに対する好きが特別なことに気づくかもしれない。そうなれば彼女のことだ。きっと自分の気持ち
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