空白期 中学編 21 「少しずつ……」
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何とも動揺した言い方だと思う。けれど昔からこんなことが度々あっただけに納得されてしまうのが私だ。
これについては思うところがあるけど……でもありがたくもあるかな。
お義母さんやアルフには気づかれてしまっているだろうけど……私には好きな人がいる。今もすぐ目の前に。
淡い想いを抱いていることに気が付いたのは約2年前、偶々ショウを買い物に誘ったのがきっかけでアルフから指摘された日からだ。
あの頃から私はショウのことを他の異性とは別の目で見ていた。それだけに最初は友達としての『好き』が勝っていたが、現在ではすっかり異性として『好き』だと言わざるを得ない。
ただ私は、この想いを伝えようか迷っている。
想いを伝えダメだった時のことを考えると怖くて仕方がない。それももちろんある。でも理由は他にもあるのだ。
ショウは昔からはやてと仲が良い。ふたりは否定してるけど、はたからみれば付き合っていてもおかしくないほど親しげだ。きっと私には見せていない顔もふたりは互いに知っているのだろう。
もしかするとディアーチェもそうかもしれない。彼女ははやてほどショウとの付き合いはないけれど、同じような立場になることが多かったせいか、ショウととても気が合っている。また今は一緒の家に暮らしているだけに身近な存在になっているはずだ。ホームステイの話を初めて聞いたときは、おそらく私が1番大きな声を出したのではないだろうか。
はやてやディアーチェは大切な友達だ……だけど私は嫉妬してしまうときがある。好きな人の隣にいるのは、やはり自分が良い。大切な友達であっても……譲りたくはない。
そう思っていても、やはり私は何も行動に移すことができない。自分からデートに誘ったりもできないし、積極的に話すこともできない。最近は誰かと一緒じゃなければ話すらできていないような気さえする。
好きだけど話せない……ショウの周りには私から見ても素敵な異性が多い。いや、私の友達は全員魅力的だ。私のように内気で口数が多くない子よりも他の子と一緒に居たほうが楽しそうに思える。
「ショウ、ボクはどんなデバイス使うの?」
「それはこいつだ」
「え、これって……ボクが昔使ってたバルニフィカス?」
「ああ、まあ今の時代に合わせたアップデートというか調整はしてるけどな。もしかすると、シュテルが研究している魔力変換システムのテストもすることに……」
「ショウ、ありがと!」
レヴィは満面の笑みを浮かべながらショウに抱きつく。体は今の私とほぼ同じなのに精神の方は出会った頃から何ひとつ変わっていない。それだけにショウはいつも困った顔を浮かべる。
……私とレヴィは似ていない。
見た目に関してはともかく、中身のほうは全くの別人だ。私にはレヴィのような素直さもなければ、積極性もない。いつ
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