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短編集
艦隊これくしょん
艦これ短編 Scene1「叢雲」
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ことを確認すると、私は鎮守府へ向けて進路をとった。




Chapter1-5「建造、そして出会い」




 私が鎮守府へ帰ってくると、そこには司令官の姿があった。
 恐らく、建造を行うためだろう。

 「今戻ったわ」
 「おかえり。早速だが、艤装を外したら、すぐにドックへ来てくれ」
 「了解よ」

 私がそう答えると、司令官は満足そうに頷いた。
 そして、私の頭に手を乗せて、こう言った。

 「無事で何よりだ」



 艤装を外してから、数分後、私は建造用のドックへ来ていた。

 「必要資材は………こんなもんでいいか」

 司令官は手元の建造用の書類に資材を書き込むと、妖精に渡す。
 そして、書類を受け取った妖精は書き込まれた資材をドックに運び込んだ。

 「あとは妖精たちに任せよう」
 「そうね」

 私と司令官はそのまま工廠を離れた。



 1時間後、執務室の扉が控えめに叩かれた。

 「どうぞ」

 その音に反応して司令官は入室の許可を出す。

 「失礼致します」

 凛とした声が執務室に響く。
 隣で司令官が息を呑む気配がする。

 「川内型軽巡洋艦2番艦“神通”と申します。よろしくお願いします」
 「っ、ああよろしく頼む」

 司令官は私の時と同じように、神通の元へ向かうと、右手を差し出した。
 神通も少々面食らった様子だったが、すぐに提督の手を握り返した。








 今思えば、これが悲劇と言うゴールへとスタートを切った瞬間だったのではないだろうか。

 続く

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