第五幕その十一
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「外見では見分けてはいけない世界だ」
「このハーグの国にしても」
「その通りだよ、ではおやつを楽しんでだ」
「はい、それからですね」
「君達はすぐに出るのかい?」
旅を再開するかどうかというのです。
「クマセンターに向かうのかね?」
「ううん、そのつもりだけれど」
「そうか、一泊するつもりはないのか」
このハーグの都にというのです、ベッツイが答えます。
「それはないのか」
「ええ、クマセンターに行かないといけなくなったから」
だからだというのです。
「今日はね」
「ここを発ってか」
「クマセンターに向かうわ」
「わかった、ではだ」
皇帝はベッツイの言葉を聞いて言いました。
「このケーキと飲みものを楽しんでからな」
「それからね」
「出発するといい」
「わかったわ」
「それじゃあね」
こう応えてでした、ベッツイは皆と一緒に皇帝が出してくれたおやつを食べてです。それからハーグの都を発つのでした。
その時です、皇帝はベッツイ達を見送る時にベッツイにガラスの小瓶を一つ渡しました、そのうえでこう言いました。
「これはお土産だよ」
「ゾソーゾのお薬ね」
「いざという時にはね」
「これを使って」
「危機を脱するといい」
こう言うのでした。
「何かあった時は」
「いいの?」
「ははは、お客さんには贈りものをする」
それがとです、皇帝はベッツイに笑ってお話します。
「それが余の礼儀なのだよ」
「それじゃあ」
「うむ、ではな」
こうお話してでした、そのうえで。
ベッツイは皇帝からゾソージのお薬を受け取りました、そしてです。
皇帝にです、笑顔で言いました。
「それじゃあまたね」
「うむ、また来てくれ。その時は」
「その時は、なのね」
「今回以上にもてなさせてもらう」
「わし等も待ってますから」
皇帝の後ろから巨人達も言ってきます。
「是非共」
「ええ、また来させてもらうわ」
ベッツイは巨人達にも笑顔で応えます。
「その時は今回以上に楽しくね」
「うん、一緒に遊んだりしよう」
「今回楽しめなかったことは次回の楽しみに」
皇帝は笑顔で言うのでした。
「置いておこう」
「そういうことね」
「楽しみは置いておくとさらに楽しくものだから」
「また次に来た時に」
「また楽しい思いをしよう」
皇帝はこう言ってベッツイ達を送りました、そしてです。
一行はハーグの都から今度はクマセンターに向かいました。旅は少し道から逸れることになりました。
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