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とあるβテスター、奮闘する
つぐない
とあるβテスター、宣言する
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としねぇんだ!どうして誰もアイツの気持ちを考えてやれねぇんだよ!? アイツは……、キリトはなぁ!オレンジ連中にパーティメンバーを皆殺しにされたんだぞ!!」
「………」
「同じことを手前ェらがやられても、そうやって平然としていられんのか!? 復讐しようって気持ちが一片たりとも湧いてこないって、手前ェらは言い切れんのかよ!? オレは、オレは……」
悲痛な叫びは徐々に弱弱しいものとなっていき、クラインは力なく項垂れた。
その両目にはうっすらと涙が滲んでいた。

「……オレはこのゲームを始めたばかりの頃、アイツに助けてもらった。茅場の野郎のふざけたアナウンスを聞かされた時だって、アイツはオレを真っ先に助けようとしてくれたんだ。 ……だから、だからアイツは悪人なんかじゃねぇ!アイツが良い奴だってのは、このオレが一番よく知ってる!そもそも向こうがPKなんてしてなけりゃ、アイツが望んでこんなことをするはずがねぇんだ!ちゃんと話せば分かってくれるはずなんだよ!」
「お前、俺達の話を聞いていなかったのか? 奴の説得は難しいと、そこのオリヴィエが言っただろうが。こうして解決策を考えているが、それでも───」
「うるせぇ!」
呆れ顔で肩を竦めたリンドの言葉を遮って、顔を上げたクラインは咆哮するように叫ぶ。

「何が説得は難しいだ、何が解決策だ!結局手前ェらが考えているのは自分の保身だけだろうが! オレは……、オレはアイツを信じる!オレだけでもアイツを信じ続けてやんなきゃなんねぇんだ!アイツを追放するのも討伐するのも、オレはお断りだからな!」
両の拳を力の限りに握り締めながら、クラインは会議に参加している全員に向けて断言した。
例えこの場にいる全員を敵に回そうと、そんなことは全く関係ないとでもいうように。
悪人と呼ばれていようが、排除するべきだと言われようが、自分だけは《黒の剣士》を───キリトを信じると。
彼と初めて出会った時に、僕が思った通りのことを。
真正面から、正々堂々と───言い切った。

「で、ですがクラインさん、具体的にはどうするおつもりなのですか?これまでのことから考えて、今の彼を説得するのは相当難しいかと思われますが……」
「そいつは……………今考えてるところだ!何か文句あるか!」
「ふふっ……!」
恐る恐る尋ねるオリヴィエに向かって堂々と開き直ったクラインに、僕は思わず笑ってしまった。
まったく、この人ときたら。超がつくほどの、笑ってしまいたくなるくらいのお人よしなんだから。
これじゃあまるで、あれこれ悩んでいた僕が馬鹿みたいじゃないか。
本当に……馬鹿みたいじゃないか。

「少し訂正させてもらうよ、クライン」
だから。
馬鹿みたいな僕は、馬鹿みたいにお人よしなクラインと並んで立って、この場にいる全員の顔を
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