暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
93話:その男の名は……
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見て、バロンは沈黙を保つ。すると士の足が持ち上がり、急に飛び跳ねて立ち上がった。


「―――いってぇぇぇぇぇッ!」


 あぁくそッ、と腹部を抑えながら大声で叫ぶ。ここ最近は訓練でも実戦でも、碌にダメージを負わずに戦ってきた彼だが、久々の痛覚に思わず叫んでしまった。
 取りあえず叫び終え、はぁはぁ、と息を整える士。それを見たバロンは溜息を一つつくと、ランスの切っ先を士に向けて言った。


「そんなもんじゃないだろう、ディケイド。そろそろ本気を出したらどうだ?」


 バロンの投げかけに、士は御尤もな意見だと痛感する。
 少なくとも、このまま生身で彼と戦うと、確実に負ける。たとえライドブッカーを使ったところで、使える物が制限されている状態では、善戦もできないで終わるだろう。

 ならば仕方ない、許可をもらおう。
 そう判断した士は、はやてに通信を繋いだ。モニターに出てきた彼女はいつもの部隊長席に座っておらず、何故か六課の中を走っている様子だった。


『な、なんや士君。そっちもう終わったんか?』
「いや、ガジェットは倒し切ったんだが……より厄介なもんが出て来ちまった」
『ッ……怪人?』


 モニター越しのはやての疑問に、士は首を横に振り答える。


「仮面ライダー≠セ」
『はぁ!?』
「取りあえず同じ土俵に立ちたい、許可をくれ」


 そう言う士は、モニターを見るのではなく、目の前に悠々と立つバロンを見据えていた。
 いつもの少しおちゃらけた雰囲気の消えたその表情を見たはやては、彼が想像以上に危ない状況にいる事を理解した。


『わかった、じゃあ取りあえず一段階を―――』
「いや、今回は二段階で頼む」
『はぁッ!?』


 そう言って驚くはやては、先程よりも大きな声を出していた。


「おそらくだが、ディケイドだけじゃあ対処し辛い。早めに決着付けて、他と合流した方がいい気がするんだ」
『なるほど…わかった。門寺士、二段階限定解除、許可します』


 はやての言葉によって、腰周りにいたトリスが輝きを放ち、ライドブッカーも淡く光った。


『絶対勝って、戻ってきてな』
「当然だ、任せろ。そっちも頼んだぞ」
『勿論や』


 最後にそうやり取りした士は、モニターを消してやるべきことに集中する。息を吐きながら立ち上がり、まっすぐとバロンを見据える。


「随分と長かったな。女と話すとは、嘗めたマネを…」
「それは悪いが、こっちにも事情ってもんがある。勘弁してくれ」


 だがまぁ、と言って士は光が戻ったライドブッカーを開き、カードを取り出した。


「すぐにお気に召すと思うぜ、バロンさんよ。―――変身ッ!」


 そしてすぐ
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