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魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
93話:その男の名は……
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へバロンの白いランスが突貫してきた。
そのスピードと矛先の鋭さによって、士の頬に赤い筋ができる。すぐさま士は飛び退いて、バロンとの距離を空けた。
着地した先で頬を拭う士。手の甲に血が付着したことを確認すると、再び親指で傷をなぞりながらバロンを見つめた。それも先程よりも厳しい目で。
それの行為を鼻で笑うバロン、こちらもすぐさま行動に移す。踏み込んで右手に持つランスを左手に持ち替え、右下から斜め上に振り上げた。
すかさず回避する士、だがそこに更に踏み込んで頭上でランスを右手に持ち替え、今度は右上から斜めに振り下ろした。
それを上体を横に傾けて躱すも、瞬く間に踏み込み横から振り抜く攻撃には対処できず、両手を交差させ受け止めた。矛先以外は殺傷能力がないのが幸いしたが、その一撃は重く表情を曇らせた。
「フンッ!」
「がふッ…!」
しかしそこで、バロンは士の腹目がけて前蹴りを繰り出した。
流石の士も生身でこれを受けてはひとたまりもなく、悶絶しながら数歩下がった。
だがバロンは待ってはくれない。右手に持つランスを再び右斜め上から振り下ろし、肩を回しながら左手に持ち替え左薙ぎを放つ。
腹を抑え苦しみながらも士は辛うじてそれらを避ける。するとバロンは、今度は右足を振り上げハイキック。これは避けきれないと判断した士は、それを左肩で受けながら後退し勢いを殺す。
バロンは振り切った勢いのまま今度は左回し蹴り。これは少し距離があったことが幸いし、士は屈んで回避。
しかしバロンもすぐさまランスで再び左薙ぎを放とうとする。それを膝を伸ばしながら目視した士は、再び膝を縮めて回避した。
(このままやられっぱなしは、癪だな!)
そう思った士は膝を伸ばしながら、左足を軸に右回転。立ち上がる勢いで前へ、回転の勢いで威力を持たせ、バロンの蟀谷(こめかみ)目がけて裏拳を放った。
「―――まだ、温いな」
「ッ…!」
だがバロンはそれを右腕を立てて防ぎ、そう言い放った。
士が驚くのも束の間、バロンは士の右腕を掴むと引っ張り、そのまま鳩尾に膝蹴りを繰り出した。
体内の空気が一瞬にして吐き出され、まるで時が止まったかのように呼吸が止まる。
腹を抑えながら数歩下がる士。それに対しバロンは右足を軸に半回転し、左足の後ろ蹴りを繰り出した。
士はそれを見て、唇を噛みながら腹を抑えていた手をずらし、狙われている場所で両腕を交差させた。
見事に当たるバロンの左足と士の両腕。しかし士はそれを受け止めることができず、力負けし吹き飛ばされた。
ゴロゴロとアスファルトを転がる士。しばらくすると回転も遅くなり、仰向けに倒れるように止まった。
大の字になって寝そべる彼を
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