暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
93話:その男の名は……
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 ―――そう、仮面である。

 士はこれを見た瞬間、目を大きく見開いて固まっていた。
 足音がするのだから、人型であろうとは予想していた。来るとしたら怪人もどき、もしくはショッカー怪人だと予測していたが……まさかこんなの≠ェ来るとは、予想外にも程がある。


「貴様がディケイドだな」
「あ…あぁ……」


 ―――喋った。
 人の言葉を介した。つまりこいつは人なのか? 否そう決めるのは早いか?

 しかしそんな判断ができるような状況じゃない。士の頭は目の前にいる存在を、どうにかして理解しようとフルスロットルで回転している。
 だが―――否、やはりと言うべきか、士の頭は既に答えを出しつつあった。

 ―――こいつは『仮面ライダー』なんじゃないのか、と。


「俺の名はアーマードライダー=cバロン≠セ」


 自らをバロン≠ニ名乗ったそいつは、白いランスをゆっくりと構え、その矛先を士に向けた。


「貴様の力、確かめさせてもらう!」


 だがしかし、だ。バロンはカッコよくそう言ったが、士の頭はフルスロットルで回転した為か、今は若干のエンスト状態であった。
 だからこそ、先程の言葉を聞いた士は、一つの問いを投げかけた。


「―――え、バナナ=H」


 相手の甲冑の、パッと見の見た目も影響してか、そう聞いてしまった士。
 バロンはそれを聞くと、何やら反応することはなかったが……なんか、纏う雰囲気というモノが一瞬にして変化した。

 それに対し、士も察した。
 ―――あ、これ地雷踏んだかも、と。


「はぁぁぁぁ!」
「おわッ、ととッ!」


 案の定、士に向かって突貫し、ランスを顔目がけて突き出してきたバロン。それを顔だけを動かして躱し、その次の振り下ろしも飛び退いて躱した。


「もう一度言う、俺はアーマードライダー=c…バロン≠セッ!」
「あ、あぁ! バロンね、分かった分かった、了解した!」


 だから少し落ち着てくれ!
 そう言う士だったが、バロンは尚も士に向かって走り続け、ランスを振るう。

 振り抜いた勢いをそのままに回転、再び振り抜き同じように回転。士は一回目を少し屈んで、二回目を一歩退いて回避した。
 そしてバロンは同じように振り抜くが、今度は回転せずに腕だけ回し、今度はほぼ真横に振り切った。

 士はそれらを、まずは同じように一歩退いて躱し、その次を上半身をお辞儀をするように回避する。
 頭上の風切り音がなくなるとすぐに上半身を起こす、がバロンは既にランスを構え腕を引いている。つまりこれは……!


「はッ!」
「―――ッ!」


 本能的に上体を少しのけ反らせ、首を若干右に折る。するとそこ
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