暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
93話:その男の名は……
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「俺が行く」
『え…?』
『まぁそうやな、今手が空いてるのは君しかおらんからな』


 モニター越しに聞いていたはやては一度頷き、出撃の許可をくれた。


『でも士君、これは…』
「あぁ、解ってる。俺も嫌な予感、ビンビンに感じてる」


 今までよりも多い布陣、そして陸と空を二分するような配置。
 ここまでの戦力で、こうも戦略的に動いてるように見える動き、そして今までにはなかった嫌な予感。

 これ程の事をやってくるのは、きっと理由がある筈。
 いつもと違い、レリックが二つ見つかったからか? それとも……


(この少女、か……)


 士はそう考えを巡らせ、横になって眠る彼女の顔を見る。
 いつもと違うと言えば、彼女の存在もある。レリックを持って何処からか現れた少女、一体何者なのか。


(―――って、今考えても仕方ないか)


 しかしそこで考えを振り切り、ヘリを降りる。先に降りていたなのはとフェイトは既に空へ上がっている、自分も急がねば。
 そう決意し、トリスを腰に巻きカードを取り出す。


〈 ATACK RIDE・HARD TURBULER 〉


 カードで呼び出したのは、黒いボディに赤いユニットの付いた機体ハードタービュラー=B
 灰色のカーテンから出てきたそれに跨り、すぐさまアクセル。後部ユニットのエンジンも稼働し、機体は宙に浮く。

 向かう先は、ミッドの廃棄都市区画。
























 廃棄都市区画に向かう最中、士達はギンガが参加した経緯を聞かされた。
 ギンガが向かった事故現場にあったのは、壊れた生体ポットにガジェットの残骸、そして何か引きづった跡。

 しかもその生体ポットは五、六歳が入るようなもので、更には人造魔導士計画≠フ培養器によく似ているとのこと。
 俺達が救出した少女も、丁度五、六歳程。ギンガの見解は、彼女は人造魔導士の素体として作られた*スだと。


「―――ったく、嫌な世の中だ」


 平然と人間をいじるような行動が為されている。人の命を弄ぶような、残酷な仕打ちが…平気に行われている。
 前の世界≠ナはそう言う実情を知る事はなかったとはいえ、許される筈のない行為だ。

 そう感じた士は小さく呟き、歯ぎしりを鳴らす。
 彼女はこれからどうなるのだろう、どう生きるのだろう? 親もなく身寄りのない、独り身の状態の少女が歩む未来は、果たして明るいだろうか。そう思うと、嫌な予想しか頭に残らない。

 しかし嫌な流れに逆らうように、士は頭を振った。
 今は目の前の事に集中するんだ、彼女の事はこの後でも大丈夫だ。しっかり守ってやらね
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ