暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜その者の行く末は…………〜
Chapter-Final Final story~Selection of youth,feelings go off to not reach~
number-36 Reunion,Resume.
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そうに見るのはリインフォース・ツヴァイ。


「マイスター。どうかしたですか?」
「いやな、この二人なんやけど、どないしよって」
「どれですかー?」


 はやてが持っている紙は履歴書のようで、それをリインが覗き込む。
 一枚はリインの知らない青年のもの。もう一枚は、リインが良く知るリインフォース・アインスのものであった。リインは自分のもととなったリインフォースを見て笑顔を浮かべるが、それは青年の階級を見てすぐに思案顔になった。


「この人マイスターよりも階級が上です。けどなんで顔写真が張ってないですか?」
「なんでやろうなぁ……」


 はやてにとっては階級とか顔写真が張ってないことよりも名前が気になっていた。もしかしたらとあれこれ浮かんでは消えていく。でももしあいつ本人だったらどうしてっていう気持ちの方が強かったりする。
 闇の書事件から十年。まだはやてにとっては終わってなかった。


 ――コンコンコン。


「……っと。どうぞ、空いてます」
「「失礼します」」


 思考の渦から抜け出させたのは、部隊長室を叩くノックの音だった。許可を出して入ってきたのは二人。
 栗色の長い髪をサイドで一つでまとめた若干子供っぽさが残る少女と同じように長い金髪を後ろでまとめて落ち着きのある少女。高町なのはとフェイト・T・ハラオウンの二人だった。
 二人は部隊長室の中ほどまで入ってくると敬礼をして挨拶をした。


「本日付でここ機動六課に配属になりました、高町なのは一等空尉です。よろしくお願いします」
「同じく本日付で機動六課に配属になりました、フェイト・T・ハラオウン執務官です。よろしくお願いします」
「部隊長の八神はやてです。よろしくお願いします」


 少しの沈黙の後何処からともなく笑いが起こる。お互いがお互い親密な仲で素を知っているため、こうして堅苦しくしているとおかしくなってしまったのだ。
 はやては先ほどの履歴書をさり気無く二人から見えない様に隠した。


 今はまだいい。まだこの平和なひと時を十分に満喫していない。どうせこの機動六課が創立された時点で面倒事が大量にやってくるのは決定済みなんだ。だったら今だけは、そっとしておいてほしい。
 そうはやては思う。そして二人にも伝えることは遠慮した。
 まだあの三桜燐夜その人と決まったわけでもないし、今伝えても仕事に支障が出るだけ。すべては新設式の時に分かる。


 はやては、静かに悟った。止まっていた物語がまた動き始めることを。


「――――はあっ、嫌やなぁ」
「? どうしたの、はやてちゃん?」
「え、あ、ああ。何でもないんよ、何でもないから大丈夫やで」
「そ、そうなの? なら、いいんだけど……」



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