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狐忠信  〜義経千本桜より〜
2部分:第二章
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 狐は話に感じ入っている静に対してさらに言うのだった。
「せめて両親がなっている鼓に添っていたいと思い側にいましたが」
「その時に見たのですか」
「見るつもりはありませんでした」
 こう断りはした。
「静様が困っておられたで忠信様の御姿をお借りしてその時にでした」
「ではやはり貴方が忠信殿に」
「そして義経様にいざという時は自分の名前を使うように言われましたので」
 その時のことも話していく。
「そうして狐の身で義経様の御名前を頂戴した有難さ」
 話しているうちにその目から涙が出て来ていた。

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